この傷寒論のシリーズは、
当院の修行生によって毎週、水曜日の早朝に開かれる、
自主的な勉強会におけるメモ・備忘録となります。
古典の専門家によるものではなく、
一から学ぶ者の新鮮な目線を共有出来れば幸いに思います。



5/10(水)
太陽病中篇より

 

(97条)血弱、気尽、腠理開、邪気因入、与正気相搏、結於脇下。
正邪分争、往来寒熱、休作有時、黙黙不欲飲食。
蔵府相連、其痛必下、邪高痛下、故使嘔也、小柴胡湯主之。

前回に続いて、小柴胡湯の条文である。
血が弱り、気が尽きて腠理が開き、
邪が入り込み(おそらく表寒などの外邪であろう)、
正気と争って脇下に結ぶ。
往来寒熱、重だるく食欲が無いという症状があるという内容である。

3行目の内容を条文通り読むと、
臓腑相連なり、その痛みが下り、
邪は高く痛みは下るために嘔気があり、
小柴胡湯がこれを主るとなる。

さて、小柴胡湯証とは胸脇に邪が結ぶものであると
前回復習を行った。そのような病証が少陽病である。
具体的に、胸脇とはどこを指すのか。
胸郭周辺に詰まりが見受けられるものを
指すイメージが大きいかも知れないが、
実際には、胸郭は胸脇の下辺あたりに相当する。
胸郭から膻中穴、あるいは大包穴あたりまで上辺は広がる。


(続く)


参加者:下野、新川、大原、盧

 

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