この傷寒論のシリーズは、
当院の修行生によって毎週、水曜日の早朝に開かれる、
自主的な勉強会におけるメモ・備忘録となります。
古典の専門家によるものではなく、
一から学ぶ者の新鮮な目線を共有出来れば幸いに思います。



2/1(水)
太陽病中篇より

板書
板書

 


68条
発汗、病不解、反悪寒者、虚故也、芍薬甘草附子湯主之。

発汗しても病が解けず、かえって悪寒がするのは
正気の虚が原因で、このような場合には
芍薬甘草附子湯を用いるという内容である。
ここで「病不解」とあり、「表不解」ではないことから、
病は表ではなく裏にあるということを示している。
悪寒がするということは
陽気が不足していることを表し、
また発汗によって津液も不足していることから、
陰陽両虚の状態である。そのため
芍薬で陰を補い、附子で陽を補う芍薬甘草附子湯を用いる。

69条
発汗、若下之、病仍不解、煩躁者、茯苓四逆湯主之。

発汗して下法を用いた後、
病が解けずに煩燥の症状が起こった場合には
茯苓四逆湯を用いるという内容である。

煩燥は大青竜湯(38条、39条)の条文にも出てきた。
そのときは、実熱によって煩燥がおこった。
しかし今回の69条の条文は、
実熱とはいえないと思われる。
陰陽が離決した真寒仮熱の状態であるといった解説もある。
ではなぜ煩燥の症状があらわれているのだろうか、
このあたりをさらに次回行う。

 


参加者:下野、新川、大原、盧

 

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