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小堀です。
金匱要略・婦人妊娠病脈証并治第二十から、
桂枝茯苓丸について学んでいきます。

組成:桂枝・茯苓・牡丹皮・桃仁・赤芍 各9g
効能:活血化瘀・緩消癥塊

主治:下腹部の腫瘤・圧痛・腹のひきつり・
不正性器出血・月経痛・無月経・難産・胎盤残留・悪露停滞

婦人宿有癥病、経断未及三月、而得漏下不止、胎動在臍上者、為癥痼害。
妊娠六月動者、前三月経水利時、胎也。下血者、後断三月衃也。
所以血不止者、其癥不去故也、当下其癥、桂枝茯苓丸主之。

癥病をもつ婦人が、月経が止まって三ヶ月に及んでから
下血しだし、臍上で動悸を感じ出した。これは癥痼の為である。
しかし妊娠六ヶ月で臍上に動悸があるものは妊娠している。
止められたた三ヶ月の衃で、癥痼のために下血するのであるから
桂枝茯苓丸を用いる。

 

癥瘕(ちょうか)とは

◉中医基本用語辞典より
積聚:中焦の病変
癥瘕:婦人科および下焦に多くみられる。
しかし一緒にみられることも多いため、
腹腔内の腫塊などの疾病を総称して癥瘕積聚という。

◉中医内科学より
ほとんどが積聚の類に属する。
『諸病源候論』癥瘕候篇には、
「癥瘕とは、いずれも温度への不適応・飲食物の消化不良・
臓器の気の相搏によって生じるものである。
その動かぬものを癥といい、
塊は生じているものの押すと動くものは瘕と呼ばれる。
瘕とは「仮」に通じ、見せかけであり動くものである。」

まとめると、

癥と積:硬くて動かない。血分に属する。臓病、瘀血。
瘕と聚:集ったり散ったりする。気分に属する。腑病。

となり、癥瘕は相互に影響しあう。


・桂枝

桂枝
桂枝

性味:辛・甘、温
帰経:主として肺・心・膀胱経に入り、
兼ねて脾・肝・腎の諸経に入る。

①発汗解肌
発汗力は緩和であるから、風寒表証では有汗・無汗を問わず応用できる。
②温通経脈
辛散温通して気血を振奮し営衛を透達し、散寒止痛・活血化瘀に働く。
③通陽化気
化湿利水を強める。利水化湿薬に配合して痰飲・蓄水などに用いる。
④平衝降逆
陽気衰微・陰寒内停による上衝するものに対して働く。

 

・茯苓

茯苓
茯苓

性味:甘・淡、平
帰経:心・胃・脾・肺・腎

①利水滲湿
②健脾補中
③寧心安神

 

・牡丹皮

牡丹皮『中医臨床のための中薬学』より
牡丹皮『中医臨床のための中薬学』より

性味:苦・辛、微寒
帰経:心・肝・腎
①清熱涼血
②活血散瘀

 

 

・桃仁

桃仁
桃仁

性味:苦・辛、平
帰経:心・肝・大腸
①破瘀行血
②潤腸通便

 

 

・芍薬

芍薬
芍薬

性味:苦、微寒
帰経:肝
①清熱涼血
②祛瘀止痛
③清肝泄火

 

 

 

次回、引き続き癥瘕について学んでいきます。


参考文献:
『中医臨床のための方剤学』
『中医臨床のための中薬学』神戸中医学研究会
『腹證奇覧 全』医道の日本社
『臨床 古今腹証新覧』
『吉益東洞大全集』たにぐち書店
『中医内科学』
『中医基本用語辞典』東洋学術出版社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

小堀

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