下野です。
今回の生薬には、
「蛇」の絵が出てまいります。
苦手な方は、
画像をクリックしないことをお勧めします。

では「薬性の歌」に参ります。


【原文】
殭蚕味鹹、諸風驚癇、湿痰喉痺、瘡毒瘢痕。
木鼈甘温、能追瘡毒、乳癰腰疼、消腫最速。
蜂房鹹苦、驚癇瘈瘲、牙疼腫毒、瘰藶腸癰。
花蛇温毒、癱瘓喎斜、大風癩疥、諸毒彌佳。
槐花味苦、痔漏腸風、大腸熱痢、更殺蛔蟲。

<第二十八に続く>


【解説】
殭蚕は味鹹。
諸風の疾患、驚癇、
湿痰、喉痺、瘡毒、瘢痕
に用いる。

木鼈は甘温。
瘡毒を追う働きがあり、
乳腺炎や腰の疼痛にも用いる。
腫を治りが早い。

蜂房は鹹苦。
てんかん、瘈瘲、虫歯の痛み、
腫毒、瘰藶、虫垂炎に。

花蛇は温で有毒。
癱瘓、口眼喎斜、癩病、癩疥に。

槐花は味苦。
痔瘻や腸風、大腸熱の下痢に。
更には、蛔蟲をさばく。

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◉白殭蚕

白殭蚕『中医臨床のための中薬学』より
白殭蚕『中医臨床のための中薬学』より

カイコの幼虫で、ハクサンビョウキンの感染により
硬直死したもの。
性味:鹹・辛・平
帰経:肝・肺
効能:
①熄風解痙・化痰
・熱性の痙攣に喘鳴を伴うものに。
方剤例 → 千金散・加減桑菊飲。
・中風による顔面神経麻痺に。
方剤例 → 牽正散。

②祛風泄熱
・風熱の頭痛や流涙、喉の痛みに。
方剤例 → 白殭蚕散・六味湯・開関散。
・温熱の火鬱三焦による悪寒、高熱、喉の渇きに。
方剤例 → 昇降散。
・蕁麻疹や湿疹の痒みに。

③消腫散結
・頚部のリンパ腫やしこりに。

◉木鼈子

木鼈子『中医臨床のための中薬学』より
木鼈子『中医臨床のための中薬学』より

ニガウリ属植物の成熟した種子。
性味:苦・微甘・寒・有毒
帰経:肝・脾
効能:
①消腫療瘡
・頚部のリンパ腫に。
・皮膚化膿症の初期や化膿して潰れないときに。
方剤例 → 木鼈子膏。

◉露蜂房

露蜂房『中医臨床のための中薬学』より
露蜂房『中医臨床のための中薬学』より

キホシアシナガバチのつくる巣。
性味:微甘・平・有毒
帰経:胃・肝・腎
効能:
①解毒療瘡・散腫止痛
・皮膚化膿症に。
・虫歯の疼痛に。

②祛風除痺
・風湿痺の関節痛や腫れ、変形に。
・風疹、蕁麻疹の痒みに。

③益腎
・腎虚の遺尿や失禁に。

④その他
止咳袪痰の作用もある。

◉白花蛇

白花蛇『中医臨床のための中薬学』より
白花蛇『中医臨床のための中薬学』より

大型のものはクサリヘビ科
ヒャッポダの内臓を除去し感想させたもの。
小型はコブラ科アマガサヘビの幼蛇から
内臓を除去して感想させたもの。
性味:甘・鹹・温・有毒
帰経:肝
効能:
①袪風湿・通経絡
・風湿痺の関節痛やひきつりに。
方剤例 → 白花蛇酒。
・中風の顔面神経麻痺、半身不随に。
・麻風の知覚麻痺に。
方剤例 → 駆風散。

②定驚搐
・破傷風の症状に。

◉槐花

槐花『中医臨床のための中薬学』より
槐花『中医臨床のための中薬学』より

マメ科エンジュの花、又は花蕾。
性味:苦・微寒
帰経:肝・大腸
効能:
①涼血止血
・大腸火盛や湿熱の鬱結による血便に。
方剤例 → 槐花散。
・血熱の鼻血に。

②清肝降火
・肝火上炎の目の充血や頭痛、イライラに。


<参考文献>
『万病回春解説』 創元社
『万病回春.巻之1-8』 早稲田大学 古典籍総合データベース
『まんが漢方入門』 医道の日本社
『中医臨床のための中薬学』 医歯薬出版株式会社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

下野

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