酒は天の美禄なり。
少のめば陽気を助け、
血気をやはらげ、食気をめぐらし、
愁を去り、興を発して、
甚人に益あり。
多くのめば又よく人を害する事、
酒に過ぎたる物なし。
水火の人をたすけて、
又よく人に災あるが如し。

(酒は天からの恵みである。
少量であれば陽気を助けて
血気をを和らげ、食物の気を巡らし、
憂いを去って、心地よい気分にさせる。
人にとって益があるものである。
ただし多飲すれば、
これほど人を害するものはない。
これは火や水が人にとって役立つ一方で、
しばしば災難をもたらすのと同じである。)

貝原 益軒『養生訓』より


どうも下野です。
少し早いですが、
皆さま一年間ご苦労様でした。

この時期になると、
ご苦労様の意味を込めて
忘年会真っ直中だと思いますが、
飲み過ぎて体調を崩したりしてませんか?
今回は「酒」に関して
養生訓より抜粋致しました。

酒は自然の物から
精製するものである為、
必ず表裏(今回で言えば良い面、悪い面)を
持ち合わせております。
現代でも、
お酒を飲むことで嫌なことを忘れたり、
食欲が出てくる方はおられますが、
どちらかと言えば
多飲による不調(病)の方のほうが
多いのが現状だと思います。

また当時のお酒は、
現代の様な「キンキンに冷えた」と
言うものではないでしょう。
その様な物を飲めばいくら少量と言えど、
冒頭文の「陽気を助け」というより
逆に傷つけてしまうこともあります。

でも「絶対悪」ではなく
良い面も持ち合わせていますので、
お酒と上手いお付き合いをしてもらえればと思います。


<参考文献>
『養生訓』 貝原守一博士校訂本
『口語 養生訓』 日本評論社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
下野

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