どうも、新川です。

今回は、徴四失論篇について綴って参ります。
本来ならここにまとめてある以上の内容がありますが、
なるべく分かりやすくするため、
一部を抜粋して表現させて頂いております。

【原文】
黄帝在明堂。雷公侍坐。
黄帝曰、夫子所通書、受事衆多矣。
試言得失之意、所以得之、所以失之。
雷公対曰、循経受業、皆言十全。
其時有過失者、請聞其事解也。
帝曰、子年少智未及邪。将言以雑合耶。夫経脈十二、絡脈三百六十五、此皆人之所明知、工之所循用也。
所以不十全者、精神不専、志意不理、外内相失。故時疑殆。
診不知陰陽逆従之理。此治之一失矣。
受師不卒、妄作雑術、謬言為道、更名自功、妄用砭石、後遺身咎。
此治之二失也。不適貧富貴賎之居、坐之薄厚、形之寒温、不適飲食之宜、
不別人之勇怯、不知比類、足以自乱、不足以自明。
此治之三失也。診病不問其始、憂患飲食之失節、起居之過度、或傷于毒、不先言此、卒持寸口、何病能中。
妄言作名、為粗所窮。此治之四失也。
是以世人之語者、馳千里之外。
不明尺寸之論、診無人事。
治数之道、従容之葆。
坐持寸口、診不中五脈、百病所起。
始以自怨、遺師其咎。
是故治不能循理、棄術於市、妄治時愈、愚心自得。
嗚呼、窈窈冥冥、熟知其道。
道之大者、擬于天地、配于四海、汝不知道之諭。受以明為晦。

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本篇は、
医家が臨床上犯しやすい失敗についての
四種の原因を説明するものである。

臨床上の診療に於いて
 陰陽逆従の道理を理解しない

師について学んで業を終えず、
 学問も技術も未熟なのに、妄りに各種の療法を施し、
 でたらめな説を真理だとして、巧みに名をつけて自慢し、
 砭石を乱用して、結果的には自分で勘違いと誤りを犯してしまう。

貧富貴賤ごとの様々な生活を分かたず、
 居住環境の好し悪しを理解せず、身体が寒か温かに注意を払わず、
 飲食上の禁忌を考慮せず、勇怯の性情を区別せず、
 分類弁別する方法を応用して分析しない。

疾病を診断する際に、その病がいつ起きたのか尋ねないし、
 精神上と飲食上の不節制とか、日常生活の乱れ、中毒によるものかどうか、といった
 まず最初に注意すべき問題についてきちんと訊ねず、やみくもに寸口の脈を診察する。

【まとめ】
十全の療効をあげられない理由は、
精神を集中して考えず、分析・研究を加えず、
外在的症状と内在的症状〔との弁別〕が不明確であるからで、
これがためにしばしば疑問を生じ困難を招くことになる。


参考文献:
『黄帝内経素問 上巻—現代語訳』
『黄帝内経素問 中巻—現代語訳』
『黄帝内経素問 下巻—現代語訳』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版
『臓腑経絡学』 アルテミシア
『鍼灸医学事典』 医道の日本社
『内経気象学入門』 緑書房

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

新川

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