下積み修行中の木村さんのお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学び成長して参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参りますので
どうか見守り 応援してやって下さい。


九鍼十二原篇 第一


【原文】
凡用鍼者、虚則実之、満則泄之、宛陳則除之、邪勝則虚之。
大要曰、除而疾実、疾而除則虚。言実与虚、若有苦無。
察後与先、若存若亡。為虚与実、若得若失。

虚実之要、九鍼最妙。
補写之時、以鍼為之。
写曰、必持内之、放而出之、排陽得鍼、邪気得泄。
按而引鍼、是謂内温、血不得散、気不得出也。
補曰、随之随之、意若妄之。若行若按、如蚊虻止、如留如還。
去如絃絶、令左属右、其気故止、外門已閉、中気乃実、必無留血。急取誅之。

持鍼之道、堅者為宝。正指直刺、無鍼左右。
神在秋毫、属意病者。審視血脈者、刺之無酷。
方刺之時、必在懸陽、及与両衛。
神属勿去、知病存亡。
血脈者、在月腧横居、視之独澄、切之独堅。

【和訓】
凡そ鍼を持ちうる者は、虚なれば則ちこれを実し、満つれば則ちこれを泄し
宛陳なれば則ちこれを除き、邪勝れば則ちこれを虚す。
(宛陳:血気が滞り日が経ったもの)
大要に曰く、除にして疾なれば則ち実し
疾にして除なれば則ち虚すと。
実と虚とを言わば、有るが若く無きが若し。
後と先とを察れば、若しくは存ち若しくは亡う。
虚と実とを為さば、得るが若く失うが若し。

虚実の要は、九鍼最も妙なり。
補写の時、鍼を以てこれを為す。
写に曰く、必ず持してこれを内れ、放ちてこれを出だし
陽を排して鍼を得れば、邪気泄するを得。
按じて鍼を引く、是を内温と謂う、血散ずるを得ず
気出づるを得ざるなり。
補に曰く、これに随いこれに随う、意これを衰りにするが若し。
若しくは行らし若しくは按じ、蚊虻の止まるが若く
留まるが若く環るが若し。
去ること絃の絶ゆるが若く、左をして右に属がわしめ
其の気故に泊まり、外門已に閉じ、中気乃ち実し、必ず留血なからん。
急ぎ取りてこれを誅す。

持鍼の道は、堅なる者を宝と為す。
正しく指して直刺し、鍼の左右するなかれ。
神は秋毫に在り、意を病者に属す。
審らかに血脈を視る者は、これを刺して殆うきことなし。
刺すの時に方りて、必ず懸陽と両衛とに在り。
神属して去ることなければ、病の存亡を知る。
血脈なる者は、腧の横居に在り
これを視れば独り澄み、これを切すれば独り堅し。


【提要】主に刺鍼の手法と補瀉についてまとめました。

おおよそ刺鍼を用いた治療は、虚、実により用いる刺法が異なる。
鍼下に気が有るものを「実」といい
鍼下に気が無いものを「虚」という。
気はもともと形がなく、有と無の間にあるものである。
正気が虚していれば補法を用い、邪気が実していれば瀉法を用いる。
実や虚とは、鍼先に触れ得たときの感覚からわかり
それが感じ取れるのは、気を得た瞬間だけである。
即ち、この気の去来は速やかであるので
十分に気をつけ、注意しなければならない。

●正気が虚していれば補法を用いる
ゆっくり鍼を刺入し素早く抜き去り、鍼を抜いた後急いで鍼孔を按ずる
経脈の巡行方向にしたがって鍼を向け、ゆっくりと散漫な様子でそっと刺す。
鍼をめぐらし気を導き、経穴を按じて鍼を刺すとき
あたかも蚊が皮膚の上を刺しているようなあるかなきかの感覚がある。
鍼を抜き去るのは早く、矢が弦から放たれたかのように
右手で鍼を抜き、急ぎ左手で鍼孔を按ずれば、経気は留まり、外に発散せず、
中は充実し、留血の弊害もない。

●邪気が実していれば瀉法を用いる
鍼を素早く刺入して気を得たのちゆっくり抜き去り鍼を抜いた後鍼孔を按じない
大いに鍼孔をゆらして、表陽を開ければ、邪気を外に漏らすことができる。
もし瀉すべきところを誤って補い、先に経穴を按じて
ゆっくりと鍼を刺入すると、血気が中にこもって外に発散せず
邪気が出て行かなくなる。

<刺鍼時の注意・心得>
●鍼を用いる時は経穴をに狙いを定め、まっすぐに刺し、左右に偏ってはならない。
●どんな微妙な点も見落とさないよう洞察し、患者の神の状態の変化に心を注ぎ
皮下の血脈に細心の注意をはらい、穴位上の経脈を避けて鍼をさす。
●鍼を始めるときは、患者の神気を引き出し、陰陽の両方の衛りをよく理解するようにする。
注意力を分散させずにいて、やっと疾病の存在と消失を知ることが出来る。

※虚実補瀉の要妙は九鍼が理想的であると記されており
次回はこの九鍼について掲載いたします。


参考文献:
『黄帝内経霊枢 上巻—現代語訳』
『中医基本用語辞典』
『鍼灸学[基礎編]』 東洋学術出版
『鍼灸医学大辞典』 医歯葉出版株式会社
『鍼灸医学事典 医道の日本社』

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

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