「陽射しが少しずつ春めいて来ましたね」
と患者さんが話しておられました。

毎年1月末に鼻がムズムズしてくると
もうすぐ立春だなぁと私も感じます。

凡そこの時季に大伴家持が詠んだ歌が、
四千五百十六首ある萬葉集の最終歌に収録されています。

“ 新しき 年の初めの 初春の 今日降る雪の いやしけ吉事(よごと) ”

[大意]
正月新年と立春新年が重なり、
豊年の祥瑞たる雪までもが降り重なり、
今日の如くに、いよいよ重なれ吉い事よ。

歌が詠まれたのは、天平宝字3年(759)の新年。
この年の正月朔日の暦は、
立春新年(天の紀:天帝の司る時間・暦/太陰暦)
正月新年(王の紀:地上世界の統治者が司る時間・暦/二十四節気)
が重なる「歳旦立春」と呼ばれ、
19年に1度の日という格別意義深い日に詠まれた歌です。

東洋哲学が奈良時代にもしっかり根付いていることが
歌からも読み取れます。

今年の旧正月はの2月10日です。
中国でいう春節ですね。
今年は「歳旦立春」ではありませんが、
次は令和20年(2038年)です。

今冬は暖かい日が多いですが、
立春は寒くなり積雪の予報も出そうです。
雪は豊年満作の吉祥ですから、
喜ばしいことと思います。

<参考文献>
「万葉の歌人と作品」 出版:和泉書院 企画・編集:神野志隆光 坂本信之 p376
「二十四節気に会わせ心と体を美しく整える」 出版:ダイヤモンド社 村上百代 著書

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here