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どうも、新川です。

ブラインド越しの夏の空
ブラインド越しの夏の空

先週、梅雨明けが発表され、
ようやく夏の雰囲気が出てきました。

植木の鉢の中と
その周りの雑草の勢いがすごかったので、
手入れしましたが、
すぐまた生えてきそうですね苦笑


さて、ここからが本題です。

前回に引き続き、
巣元方らが著した
諸病源候論を読んでいきたいと思います。

前回までの記事はこちら
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 中風候 其ノ一
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 中風候 其ノ二
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風懿候 
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風口噤候 
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風舌強不得語候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風失音不語候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風痙候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風の角弓反張候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風の口喎候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 柔風候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風痱候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風の腲退候


《原文》
風偏枯者、由血気偏虛、則腠理開、
受於風湿、風湿客於半身、在分腠之間、使血気凝渋、不能潤養。
久不瘥、真気去、邪気独留、則成偏枯。
其状半身不隨、肌肉偏枯、小而痛、言不変、智不乱是也。
邪初在分腠之間、宜温臥取汗、益其不足、損其有餘、乃可復也。
診共胃脈沈大、心脈小牢急、皆為偏枯。
男子則発左、女子則発右。
若不喑、舌転者可治、三十日起。
其年未満二十者、三歲死。
又左手尺中神門以後脈、足大陽経虛者、則病悪風偏枯。
此由愁思所致、憂慮所為。
其湯熨針石、別有正方、補養宣導、今附於後。


風の偏枯の病は偏側の気血の不足により、
腠理が開いていて、
そこに風湿の邪を受け、身体の半側に風湿の邪が侵襲して、
腠理分肉の間に留まり、血気の運行を凝滞させ、
筋肉を滋潤させ栄養させることができない。
永い間治らないと正気が衰弱して邪気が独り留まって偏枯となる。
偏枯の病状は半身が不随となり、
筋肉が萎縮して小さくなり痛むが、言語は正常で意識も明瞭で乱れることはない。
発病の初期で邪気がまだ腠理分肉の間に在るときは温かくして臥床し、
汗を出すようにすべきであり、
さらに適宜に治療して、その正気の不足を補い、その邪気の有餘を瀉せば病状を回復させることができる。
病人の脈を診察して、胃脈が沈大で、心脈が小牢急であるものはすべて偏枯の証である。
通常は男子は左側に発し、女子は右側に発する。
もし失語症出現せずに舌がよく動くものは治すことができるものであり、約三十日で治癒に向かうものである。
その年齢が二十歳に満たないような若年者がこの病にかかれば予後が悪く三年ほどのうちに死ぬことが多い。
また左手の尺脈が虚し、足太陽経脈が虚している者は悪風偏枯の病にかかっている。
これは憂愁や思慮などの内因によって起ったものである。
その治療法、静養法、導引法などについてはまとめて後に附す。

胃脈:右手関部の脈
心脈:左手寸部の脈

小牢急とは・・・
小脈、牢脈、緊脈の三種の脈象を指す。

喑:啞のこと。声が出ないこと


参考文献:
『東洋医学概論』医道の日本社
『黄帝内経素問』
『黄帝内経霊枢』
『中国医学の歴史』
『中国鍼灸各家学説』
『中医学の基礎』東洋学術出版社
『校釈 諸病源候論』緑書房

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

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