下積み修行中の木村さんのお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学び成長して参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参りますので
どうか見守り 応援してやって下さい。



虚証の不眠

すべて虚損の象が現れますが、
本質的な病理の違いにより臨床症状にも違いが現れます。

①心脾両虚

<症状>

入眠困難・多夢自汗・心悸・健忘・息切れ
顔色淡白・心神疲労・月経不順
めまい・舌質淡・脈細


<解説>
心は血を統轄して神を蔵し、脾は血を生み出してコントロールします。
したがって脾が虚せば血を充分に生化してコントロールすることができないので、
亡血・失血が発生し、血虚になります。
血虚になれば心は栄養が得られないので、
動悸・健忘・不眠・夢を見る等の症状が起きます。
反対に心が神を蔵することが出来ず精神に異常をきたした場合も、
脾の運化機能や血を作る機能を阻害するので、
精神的なダメージや考え過ぎからも心脾が損傷され、
心脾同病や心脾両虚という病理が発生します。
そして上述の心血不足や精神不安等の症状の他に、

顔色が黄色い・飲食減少・息切れ・怯え・舌淡・唇白・月経不順
などの症状が現れますが、
それらはいずれも心脾両虚の病理に属するものであります。

②陰虚火旺

<症状>
五心煩熱・潮熱・盗汗など、陰虚内熱の症状や
体が虚弱になる・頭昏・耳鳴り・熟睡出来ない・健忘症・足腰がだるい・遺精

<解説>
陰虚の為に陽を制御出来なくなると、陽を相対的に亢進させ、
それが進行すると陰虚火旺となります。
不眠は虚火によって内で心神をかき乱すことから起こる不眠です。
熱病の末期、腎陰にまで損傷が及ぶ、
久病のために虚労する、陰虚が回復しない、
性生活が乱れる、先天不足の為に腎水が欠損する、

などの状況があれば、陰虚内熱、水火旺などの病理が発生します。

③心胆気虚

<症状>
驚き恐れているため一人で眠れない・寝ていてもちょっとした物音に
おびえ目を覚ます・めまい・舌質淡・脈弱

<解説>
突然の驚きや恐れから胆気を損傷し、胆は決断の腑であるため胆気が損傷すると
驚きやすくなって不眠が起こります。

④心腎不交

<症状>
不眠・心悸・健忘
眩暈・耳鳴り・腰膝酸軟・五心煩熱・口の渇き
舌質紅・脈細数

<解説>
心は火を主宰し、腎は水を主宰します。
腎水は上昇して心を助け、
心火は下降して腎と交流することによって心火が高ぶらないようにし、
「心腎相交」、「水不済火」 といわれる協調関係を保っています。
したがって、もし腎の真陰が不足したために腎水が上昇して心を助けることが出来なかったり、
五志が極度に高ぶって心火が燃え上がり、
腎と交流することができなくなれば、
ついには「心腎不交」、「水不済火」という病理変化が起きます。
ちなみに腎水が不足するという病症と心火が高ぶるという病症とは、
1つの病理変化の2つの異なった側面があります。

具体的には、
眩暈・不眠・五心煩熱・いらいらして落ち着かないなど、
下焦の陰が欠損し虚火が炎上するなどの症状が現れます。
つまりこれは『温病条弁』といいます。
「陽は高ぶって陰に入らず、陰は虚して陽を受け入れられず・・・
陰陽はそれぞれが孤立して交流しない。」
というメカニズムであります。(下焦十一条自注)。

次回は実証の不眠について記載致します。


参考文献:
『[実践講座]中医弁証』
『針灸学[臨床篇]』
『中医弁証学』
東洋学術出版社
木村

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