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小堀です。
今回は当帰芍薬散について学んでいきます。

金匱要略の婦人妊娠病篇と婦人雑病篇とに記載がある。
補血調肝・運脾除湿として用いられ、
女性だけでなく老若男女問わず
肝脾不和に使用できる。


◉婦人姙娠病脉證并治第二十
「婦人懷姙して腹中荳痛するは当帰芍薬散これを主る。」

妊娠中は胎児の養育に多量の気血を要するため、
元来脾胃虚弱・痰飲過剰の女性は肝血虚になりやすい。
結果、肝鬱血を生じて肝気乗脾となり、
脾は痙攣性の腹痛を起こす。


◉婦人雜病脉證并治第二十二
「婦人腹中の諸疾痛は当帰芍薬散これを主る。」

妊娠以外でも女性は腹痛を起こしやすく、
月経による血虚や気鬱による肝気鬱血は
肝脾不和の腹痛を生じる。
脾虚痰飲による冷えや胃腸の水液過剰も
腹痛や下痢の原因となる。


組成:
当帰9g・芍薬15g・茯苓12g・白朮12g・沢瀉9g・川芎6g

大量の芍薬で肝血を補い、柔肝して止痛する。
当帰と川芎によって肝血を養い、肝の気血を調和する。
白朮は補脾燥湿し、茯苓・沢瀉を合わせると利水効果が益し、
胃中の痰飲を除いて冷えや腹痛を減じ、
痰飲や浮腫を尿から排泄する。

当帰芍薬散 / 腹證奇覧
当帰芍薬散 / 腹證奇覧

(本多先生の記事→腹証奇覧
図の如く、臍傍・臍上・臍下の四辺に拘攣(ひっぱること)ありて、
之を按て痛み背に徹する者、或は心下悸し、
或は小腹、強痛(こわばり)、或は冒して渇し、
小便小利の者、此の方の正證なり。
男女老若を問わず、何の病を問わず、
此の方を用いて、病患治せざることなし。
然れども、毒の浅深厚薄に因りて、
敢て瞑眩甚しく、若しくは腹痛忍ぶべからざる者あり。
或は志気、冒(うっとり)して楽しまざる間あり。
必ずしも驚くべからず。ますます服薬を重ね進めて可なり。

『古今腹証奇覧』には、
まず腎虚があり、陽気の不足から
水を血に変えれず、肝血虚になる場合がある。
肺虚もあり、表に水が多くなる。
とあり、下記の腹証になると書かれている。

・下腹部における皮下及び皮膚における浮腫
・心下に水滞がある
・第5腰椎から臀部にかけての浮腫がある。
・一般に冷え性で水太りの人に多い。

とあり、腹証奇覧の図を
当帰芍薬散単独の証とするのは疑問としている。


参考文献:
『金匱要略も読もう』
『中医基本用語辞典』東洋学術出版社
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社
『腹證奇覧』 医道の日本社
『臨床 古今腹証新覧』たにぐち書店

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

小堀

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