夜空
夜空

下野です。
早いもので、
今年に入って2ヶ月が過ぎようとして、
いよいよ春がやってくるのかという
空気感と自分の体が反応し始めています。
例年 春に体調を崩しやすいので、
今から節度ある生活を心掛けます!

では『薬性の歌』の記事に参ります。


【原文】
杏仁温苦、風痰喘嗽、大腸気閉、便難切要。
烏梅酸温、收斂肺気、止渴生津、能安瀉痢。
天花粉寒、止渴祛煩、排膿消毒、善除熱痰。
密蒙花甘、主能明目、虛翳青盲、服之效速。
菊花味甘、除熱祛風、頭眩目赤、収涙殊功。

<第三十一に続く>


【解説】
杏仁は温苦。
風や痰の喘嗽に。
大腸の気閉による
便が出にくいものにも重要である。

烏梅は酸温。
肺気を収斂し、消渇を止めて
津を生み、瀉利を改善させる。

天花粉は寒。
消渇を止め煩を去り、
排膿消毒して熱痰を除く。

密蒙花は甘。
頭目を改善するする。
眼のかすみや緑内障に用いれば
速やかに改善がみられる。

菊花は味甘。
熱を除いて風を去り、
ふらつき、目の充血を治す。
とりわけ流涙に効果あり。

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◉杏仁

杏仁
杏仁

バラ科ホンアンズ、アンズの種子。
性味:苦・辛・温・小毒
帰経:肺・大腸
※為沢先生による解説はこちら
【古医書】傷寒論を読む:弁太陽病脈証并治(上)十七章・十八章・十九章
※本多先生による解説はこちら
茯苓杏仁甘草湯 / 腹證奇覧

杏仁と言えば、
杏仁豆腐を思い浮かべる方が多いと思います。
日本ではデザート的要素がありますが、
これは杏仁を使用した立派な薬膳料理です。
杏仁は性味に記したように苦ですから、
その苦味を消すために甘くし、
服用しやすいように工夫された料理です。

◉烏梅

バラ科のウメの未成熟果実を
薫製させたもの。
性味:酸・渋・平
帰経:肝・脾・肺・大腸
効能:
①斂肺止咳
・肺虚の慢性咳嗽に。
方剤例 → 一服散。

②渋腸止瀉
・慢性下痢に。
方剤例 → 固腸丸。

③和胃安蛔
・回虫による腹痛や嘔吐に
方剤例 → 烏梅丸。

④固崩止血
・下血や血尿、性器出血に。

⑤生津止渇
・虚熱による消渇に。
方剤例 → 玉泉丸。
・温熱病の後期の腎陰大虚の消渇に。
方剤例 → 連梅湯。

⑥その他
・破傷風初期や肉芽の過剰形成に。

◉天花粉

ウリ科のシナカラスウリなどの肥大根の外皮を去ったもの。
性味:甘・微苦・酸・微寒
帰経:肺・胃
※為沢先生による解説はこちら
【古医書】傷寒論: 弁太陽病脈証并治(下)百四十七章
※本多先生による解説はこちら
柴胡桂枝乾姜湯 / 腹證奇覧

幼児の汗疹(あせも)等のお肌の手入れに使用する
ベビーパウダーがありますが、
年配の方には「天花粉」と仰る方もおられます。
かつては「天花粉」を原材料とし
日本では昔から使用されていたようですが、
今では「コーンスターチ」(トウモロコシの澱粉)が
原材料として使われており、
それとともに名称が変わってきたようです。

◉密蒙花

フジウツギ科のフジウツギの花蕾。
性味:甘・微寒
帰経:肝
効能:
①清肝退翳
・肝火上炎の目の充血や痛み、目やにや角膜の混濁などに。
方剤例 → 密蒙花散。

②養血明目
・肝血虚の視力減退に。

◉菊花

キク科のキク、又はその品種の頭花。
性味:甘・微苦・微寒
帰経:肺・肝
効能:
①疏散風熱
・外感風熱の発熱や頭痛、咳嗽などに。
方剤例 → 桑菊飲。

②明目
・風熱や肝火による目の充血、痛み、腫れなどに。
方剤例 → 菊花散。
・肝陰不足の視力減退やかすみ目に。
方剤例 → 杞菊地黄丸。

③平肝陽
・肝陽上亢の眩暈、ふらつき、頭痛などに。
方剤例 → 羚羊鈎藤湯・鈎藤散。


<参考文献>
『万病回春解説』 創元社
『万病回春.巻之1-8』 早稲田大学 古典籍総合データベース
『中医臨床のための中薬学』 医歯薬出版株式会社
『中医基本用語辞典』
『中医病因病機学』 東洋学術出版社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

下野

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