夕焼けが眩しかったです
夕焼けが眩しかったです (11月上旬 江坂にて)

こんにちは、大原です。

霊枢の経脈篇(第10)には、
経脈や絡脈がどのように
人体の身体を巡っているのか書かれています。

この中で、
経脈とは基本的に目には見えず、
見えるのは絡脈である」と、
以下のように記載されています。

<霊枢 経脈篇より>

経脈十二者、伏行分肉之間、深而不見。
其常見者、足太陰過于外踝之上、無所隠故也。
(十二経脈は、分肉の間を隠れて走行しているので見ることができない。
ただ、手太陰肺経の脈の、手の外踝の上のところは見ることができる。)
→原文では「足太陰」となっていますが、
意味の上では寸口部を指す「手太陰」とするのが
適当ではないか
と言われています。

諸脈之浮而常見者、皆絡脈也。
(各脈で表面に浮いてきて見えることができるのは、皆絡脈である。)

これらの記述により、
経脈は絡脈に比べて人体の深い場所を
通っていることが想像できます。
そして、おそらく、経脈より深い場所に
臓腑が位置付けられるのだと思います。

この中で、今回は
絡脈について述べていきたいと思います。

絡脈は、表裏関係にある臓腑どうしを
お互いに結びつけるように循行するとされています。
例えば、手太陰肺経の絡穴「列缺」から、
肺経と表裏関係にある
手陽明大腸経に繋がっていると考えられています。

肺経の絡穴「列缺」と同様に、
他の経脈にもぞれぞれ絡穴があり、
足太陰脾経に2つ、それ以外の十二経脈に1つずつ、
任脈、督脈にも1つずつあり、
人体には合計15の絡穴があります。

では、具体的に、これらの絡穴の場所は
どこにあるのでしょうか?
それぞれの経穴の場所は、専門学校では
「この筋肉とこの筋肉の間」とか
「この横紋(シワ)から○寸上方」などと習いました。

その中で「列缺」穴の場所は
学校では
「部位:長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の間、手関節掌側横紋の上方1寸5分.」
『新版 経絡経穴概論』より
と教わります。

簡単にいうと、
手の親指に関わる二つの腱の間で、手関節のシワから1寸5分の距離に
「列缺」穴があると教科書に書かれています。

一方、霊枢の経脈篇では、「列缺」について
このように記載があります。

<霊枢 経脈篇より>
起于腕上分間、並太陰之経直入掌中、散入于魚際。
〜中略〜
取之去腕一寸半。別走陽明也。
(肺経の絡脈は、
腕の分肉の間に起こり、肺経と平行し直ちに手掌の中に入り、

魚際(手掌で親指の付け根のふくらみ)のところに散じる。
治療では、腕を去ること一寸半のところに取る。
ここから別れて手陽明大腸経に連絡する。)

簡単にいうと、肺経の絡脈は、
肺経と並んで走行して手掌に入って魚際で散じ、
この中で、手関節から1寸半のとことが治療穴である、
と書かれています。

教科書と比較してみると、
手関節から1寸5分という距離は共通していますが、
若干ニュアンスが異なりますね。

前述のように、絡脈は表裏関係にある
経脈へ通じるものですので、
霊枢に書かれている
並太陰之経直入掌中、散入于魚際」という
絡脈の走行が重要なのだと思います。
その走行の中の、手関節から1寸5分の場所が
治療場所になるということだと思います。


参考文献:

『黄帝内経 霊枢』 東洋学術出版社
『新版 経絡経穴概論』 医道の日本社

*画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
ぜひ参考文献を読んでみて下さい。

大原

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