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中国医学(東洋医学)では
痛み等のあらゆる症状の多くが、
「内臓」の弱りや変調から起こると考えております。
その変調を治さないまま時間が経過すると、
西洋医学の病名がつく状態へと進んでしまう為、
治療は内臓を立直すように行っていきます。
この思想は西洋医学とは異なり、
東洋医学を学び、実践していく上で
「内臓」を知ることは非常に大切になります。
そして東洋医学では「内臓」と呼ばず、
「臓腑」や「五臓六腑」と言っております。
また「臓腑」には
それぞれに「神」が宿ると考え、
生理機能だけでなく、
思考や精神活動にも働くとしており、
これも西洋医学の内臓機能と大きく異なる点となります。
ただ思想が異なるのに、
西洋医学で肝臓があれば、東洋医学でも肝があり、
大腸があれば、勿論大腸がありと
内臓の名前はほぼと言いますか同じですよね。
こうなると、
西洋医学の一般的な内臓の知識や
イメージが先行してしまい
東洋医学の臓腑観を知る、学ぶ上でネックになっております。

ではなぜ、この様な問題点(としておきましょう)が生じたかと言いますと
日本には蘭学(西洋医学)の伝播前に
中国医学が既にあったわけで、
五臓六腑の概念(形や生理)は理解しておりました。
そこに新たな医学が入り、
同時に『解体新書』を始めとする
解剖書が入ってきた際に、
古くから用いていた臓腑の名称を西洋医学の言葉に翻訳してしまったという背景があります。
つまり、解剖学的観点からみれば
東洋医学の臓腑名と姿形は一致しても、
元々の医学の違い、つまりは哲学の違いから
生理学、機能上の考えでは全くの別物と考えないといけません。
<つづく>
アイキャッチ画像は
『類経 目・32巻・図翼11巻・附翼4巻』京都大学附属図書館所蔵です。