乳中一穴 乳の頭のすこし内廉
腹哀二穴 中脘の左右へ四寸半づつひらく
淵腋二穴 直に脇つぼの下三寸
天府二穴 腋下三寸臑の内廉動脉の中
少商二穴 大指の内側、爪のはへぎは一分程去って、
小ゆびの方を外と云、大ゆびの方を内と云う
少海一穴 肘をかがめて折目の上の尖は
曲池なり下のとがりは少海なり
労宮二穴 掌の真中動脉の処なり
髀関二穴 膝の上一尺二寸ほど脆坐すれば
股の少し下に肉のねぢける横交中
伏兎二穴 脆坐れば膝の上に肉高く成りて
兎の伏したるに似たる肉の中膝皿より六寸上
陰陵泉二穴 膝の下内側、骨の下廉の陥也
脹脛の筋との間、足をのべてとる
殷門二穴 直に立てば臀肉と股の肉との折め、
紋の真中より六寸下
~『鍼灸重宝記』より~
鍼灸重宝記に記載されている灸をすえる事を禁止されている経穴とその取穴です。
ただ禁灸の穴と言われている経穴でも状況によってはお灸をすえる場合があります。
例えば『【鍼灸重宝記】禁灸の穴①』の抜粋で
禁灸の穴とされている『瘂門』などは
澤田流太極療法を提唱した大正時代の鍼灸師 澤田健氏が言語障害の治療で
瘂門に灸を施して効果を上げたという話があります。
この様に古典に記載があるからといって絶対に灸をしてはいけない
というわけではなく一人一人の体に合わせて施術を施す必要があります。