こんにちは、為沢です。
張仲景の古医書『傷寒論しょうかんろん』の解説です。

今回の傷寒論は弁厥陰病脈証并治 三百七十五章。
この章では、下痢後、虚煩が現れた場合の証治について詳しく述べております。



下利後更煩、按之心下濡者、爲虚煩也、宜梔子鼓湯
煩は熱症であり、熱が除かれ下痢が止まった後、
本来なら煩は生じないが、仮に下痢をした後、
煩が表れれば、これは下痢によって陰が傷つき
熱が除かれるどころか心胸に内陥して心火を鬱滞させたのである。
このとき心窩を押圧しても痛まないのは、実邪による結滞ではない、
治療は梔子鼓湯で宣降火鬱して除煩を行う。

梔子鼓湯しししとう

山梔子
山梔子

山梔子さんしし
基原:アカネ科のクチナシ、
またはその他同属植物の成熟果実。
球形に近いものを山梔子、細長いものを水梔子として区別する。

山梔子は苦寒で清降し緩除に下行し、
心・肺・三焦の火を清して利小便し
気分に入って瀉火除煩・泄熱利湿するとともに、
血分に入り凉血止血・解毒に働く。
熱病の熱蘊胸膈による心煩懊憹、
熱欝血分による吐衄下血・瘡癰熱毒、
湿熱蘊結による淋閉黄疸などの要薬である。

香鼓『中医臨床のための中薬学』より
香鼓『中医臨床のための中薬学』より

香鼓こうし
基源:マメ科のダイズの成熟種子を蒸して発酵加工したもの。

香鼓は辛苦甘で疏散宣透の性質をもち、
表邪を宣透し鬱熱を宣散し、解表して傷陰しない、
外感表証の発熱・頭痛・無汗や、
邪熱内憂胸中の心胸煩悶・虚煩不眠に適する。
宣散には働くが、清熱の効能はもっていない。

提要:
下痢後、虚煩が現れた場合の証治について

『現代語訳 宋本傷寒論』訳を使用:
下痢した後に心煩が一層と激しくなり、
手で患者の心下を押さえてみて軟らかならば、
これは虚煩の状態であり、梔子鼓湯で治療するとよい。
肥梔子十四個、裂く  香鼓四合、布で包む
右の二味は、四升の水で、まず梔子を、二升半になるまで煮て、
それから香鼓を入れ、一升半になるまで煮て、滓を除き、二回に分けて服用する。
一服で嘔吐がおこれば、二服目は服用しない。


参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』   東洋学術出版社

『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房

『増補 傷寒論真髄』  績文堂

『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社

生薬イメージ画像:為沢 画

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

為沢

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