文鳥
文鳥

こんにちは、為沢です。文鳥描いてみました。
今回は簡単に描いた絵なので、次はもう少し描き込んでみます。


ここからは張仲景の古医書『傷寒論』の解説です。

今回の傷寒論は弁陽明病脈証并治 二百三十四章・二百三十五章。
二百三十四章では、陽明病で汗が多く出て、且つ悪寒があるものの治法について。
二百三十五章では、汗が出ずに喘ぐ、陽明病の経表実証の治法について
それぞれ詳しく述べております。


二百三十四章

陽明病、脉遲、汗出多、
微惡寒者、表未解也、可發汗、宜桂枝湯。二十一。

桂枝三兩、去皮 芍藥三兩 生薑三兩 甘草二兩、炙 大棗十二枚、擘
右五味、以水七升、煮取三升、去滓、溫服一升。須臾啜熱稀粥藥力、取汁。

和訓:
陽明病、脉遅に、汗出ずること多く、
微かに悪寒するものは、表未だに解せざるなり。
発汗すべし。桂枝湯に宜し。二十一。

桂枝三両、皮を去る   芍薬三両  生薑三両   甘草二両、炙る   大棗十二枚、擘く
右五味、水七升を以て、煮て三升に取り、滓を去り、
一升を温服し、須臾にして、熱き稀粥一升を啜り、以て薬力を助けて汗を取る。


陽明病、脉遲、汗出多、微惡寒者、表未解也、可發汗、宜桂枝湯
陽明病で脉遅の場合、多くは熱邪が内に塞がり津液は必ず傷ついている。
このとき汗出して少し悪寒があれば、表証はまだ治っていないが
熱もまだ生じていない状態なので、桂枝湯により中焦を安じ、解肌固表を行っていく。

桂枝湯
こちらを参照→【古医書】傷寒論を読む:弁太陽病脈証并治(上) 十二章・十三章

提要:
陽明病で汗が多く出て、且つ悪寒があるものの治法について。

訳:
陽明病、脉遅に、汗出ずること多く、
微かに悪寒するものは、表未だに解せざるなり。
桂枝三両、皮を去る   芍薬三両  生薑三両 甘草二両、炙る 大棗十二個、裂く
右の五味を、七升の水で、三升になるまで煮て、滓を除き、
一升を温服し、しばらくして、熱い稀い粥を一升すすって、薬力を助けて汗を出させる。


二百三十五章

陽明病、脉浮、無汗而喘者、
發汗則愈、宜麻黄湯。二十二。

和訓:
陽明病、脉浮に、汗なくして喘するものは、
発汗すれば則ち愈え、麻黄湯を用いるとよい。二十二。


陽明病、脉浮、無汗而喘者、發汗則愈、宜麻黄湯
陽明病で陽気が隆盛であるが、
表実により邪を追い出せない場合、上逆し必ず作喘となる。
脉浮、無汗は衛閉・営鬱によるものであるから、
麻黄湯で皮毛を開き、表裏を調暢していけばよい。

麻黄湯
こちらを参照→【古医書】傷寒論を読む:弁太陽病脈証并治(中)三十五章

提要:
汗が出ずに喘ぐ、陽明病の経表実証の治法について。

訳:
陽明病、脉浮に、汗なくして喘するものは、
発汗すれば則ち愈え、麻黄湯を用いるとよい。二十二。


参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』   東洋学術出版社
『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房
『増補 傷寒論真髄』  績文堂
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社

生薬イメージ画像:
『中医臨床家のための中薬学』 医歯薬出版株式会社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

為沢

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