抑 予が伝るところは本朝針家の祖、
無分の末流なり、
病の頭にあるも腹に刺し、
病脚にあるも亦腹に刺す。
その刺すに次第あり、
諸病まづ臍の下二寸、
丹田の一穴を刺す。
これ腎間の動気にして
十二経の根本なりこれを刺して元気を劫かし、
其後に散針の法によって経穴に拘らず、
ただ邪気のある処を刺して
元気の巡途を開きて通ぜしむれば気順ずる、
気順ずれば痰順ず、痰順ずれば熱散ずる、
熱散ずれば風内に消す、
況や又気順ずるときは血活す、
血活すれば潤い生ず、
潤い生ずれば精を益す、
精益すときは神内に立、
それ針の功をなすこと此のごとし。

〜『鍼灸重宝記』より〜

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