朝晩は涼しくなりましたが、
日中は依然として暑さがきつく、
かと言って 室内でエアコンをかけると寒いと
状況でしたので、ふらっと近所の林の中へ行ってきました。

涼をもとめて
涼をもとめて

市街地にありながら、広大な緑が広がるこの場所は
神社・古墳があり、山崎の合戦では豊臣秀吉が陣をかまえた
ところでもあります。
緑が多いだけあって、風の通りも良く、とても気持ちがいいですね。

竹の本殿
竹の本殿

これは神社の本殿で、
以前火災で全焼してしまい、現在 画像の本殿に建て替えられたのですが、
これは日本初の木材を一切使わず、すべて竹のみで建てられたもので
木材伐採による環境破壊を防ぐひとつの方法としてこのようにされたようです。

これも環境問題に対する、答えの一つですね。

では『難経』の記事に参ります。


【原文】
六十三難曰、十変言、五蔵六府滎合、皆以井為始者、何也。

然。
井者、東方春也。
万物之始生、諸蚑行喘息、蜎飛蠕動。
当生之物、莫不以春生。故歳数始於春、
日数始於甲、故以井為也。


【現代語訳】
医学経典である『十変』には、
五蔵六腑の井・滎・兪・経・合の腧穴は
すべて井穴から始まると述べている。
これはどうしてか。

答え。
井穴は木に属し、東方と春を象徴している。
春は万物が芽生え始める頃で、生物は活発に活動し
虫類も活動を始める。
つまり全ての生物が新しい生活を始めるのである。
したがって春は一年の頭とし、甲は日数の始まりとされ、
経穴も木に属する井穴を始まりとしているのである。


【解説】
当難では井穴が五兪穴の始まりであることを説明している。

『黄帝内経 霊枢』九鍼十二原篇には
「所出為井、所溜為滎、所注為腧、所行為経、所入為合」
「脈気の出るところを井、流れていくところを滎、注ぐところを輸、
通過するところを経、集まるところを合」
とされており、
『難経本義』には
「井は谷井の井、水源の出ずる所也。」と記載されている。
また楊玄操
「臓腑はすべて井をもって始まる。
井とは谷の泉のことであり、掘ってつくった井戸のことではない。
谷間で泉水が流れ始めるところを井といっている。
井には出るという意味がある。」と述べている。

つまり「井=五腧穴の始まり」という上記の内容を、
「春=一年の始まり」にたとえて表現されたものだと考えられる。


<参考文献>
『難経鉄鑑』 たにぐち書店
『難経解説』 東洋学術出版社
『現代語訳◉黄帝内経霊枢 上巻』 東洋学術出版社
『鍼灸治療基礎学』 医道の日本社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

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