金環日食
金環日食 出典: Astro Artsより

こんにちは、為沢です。

少し先の話になりますが、今年楽しみなイベントを御紹介します。
5月21日の朝に金環日食が観測される予定で、
日本での観測は実に25年ぶり。日本全土で観測可能だそうで
これを逃すと次回は2030年6月1日の北海道で観測される予定です。
5月21日は月曜日。仕事で見られへんやんと思ってましたが、
大阪では朝7時29分頃に観測されるらしく
僕は出勤時にギリギリ見れそうです。
当日はサングラスでの観測は目に危険だそうなので、
日食用グラスの御用意を。
あとは天気が晴れてくれることを祈るのみ。
楽しみです♪


では、今回の傷寒論は五十一章・五十二章・五十三章。
五十一章と五十二章では、
表証を弁証する場合は脈診が重要であると強調しており、
発汗させるべき表証の脈は浮か浮数であることを述べています。
五十三章では、
何もしないで汗が出る者の病理と治法について詳しく述べております。


弁太陽病脈証并治(中)
五十一章

脉浮者、病在表、可發汗、宜麻黄湯。
十七。
用前第五方、法用桂枝湯。

和訓:
脉浮なるものは、病表に在り。
発汗すべし。麻黄湯に宜し。十七。前の第五方を用い、法は桂枝湯を用う。


脉浮者、病在表、可發汗、宜麻黄湯
浮脈は病が体表にあることの現れなので、発汗によって治療する。

麻黄湯 こちらを参照↓
【古医書】傷寒論を読む:弁太陽病脈証并治(中)三十五章麻黄・桂枝・甘草・杏仁

訳:
患者の脉が浮なら、病邪は表にあり、
発汗法で治療してよく、麻黄湯を選用すればよい。
第十七法。前記第五法の処方を用いる。桂枝湯の方法で養生する。


五十二章

脉浮而數者、可発汗、宜麻黄湯。十八。用前第五方。

和訓:
脉浮にして数なるものは、発汗すべし。麻黄湯に宜し。十八。
前の第五法を用いる。


脉浮而數者、可発汗、宜麻黄湯
脈浮数の場合は、発汗法を行う。それには麻黄湯を与えれば宜しい。

麻黄湯こちらを参照↓
【古医書】傷寒論を読む:弁太陽病脈証并治(中)三十五章麻黄・桂枝・甘草・杏仁

提要:
五十一章と五十二章。
この二つの章では、表証を弁証する場合は脈診が重要であると強調しており、
発汗させるべき表証の脈は浮か浮数である。

訳:
患者の寸脉と尺脉が浮かつ数なら、
発汗すればよく、麻黄湯を選用する。
第十八法。前の第五法を用いる。


五十三章

病常自汗者、此爲榮気和、榮気和者、
外不諧、以衛気不共榮気諧和故爾。
以榮行脉中、衛行脉外。
復發其汗、榮衛和則愈、宜桂枝湯。十九。
用前第十二方。

和訓:
病常に自汗するものは、
此れ栄気和すと為し、栄気和するものは、
外諧わず、衛気は、栄気と共に諧和せざるを以ての故に爾り。
栄は脉中を行り、衛は脉外を行るを以てす。
復た其の汗を発し、栄衛和すれば則ち愈ゆ。
宜桂枝湯に宜し。十九。前の第十二方を用う。


病常自汗者、此爲榮気和
「病」と記してあるのは、
一般全ての病を指し、風寒のみの病とは限らない。
病を受けて常に何もしないで汗をかいている場合は、
営気は調和していることを示している。

榮気和者、外不諧、以衛気不共榮気諧和故爾
「諧」とは調和のこと。
営気は調和しているが外が不調和なのは、
衛気と営気が調和していないのである。
営衛が調和せず、衛気は居場所を失い表がしっかりせず、
腠理が開き放しになり常時自汗することになる。
この時、衛気はその働きを失っているが、
営気は未だに病んでいない。

以榮行脉中、衛行脉外
営衛はともに肌表を循るが、
営気は経脈の内にあって守り、衛気は経脈の外にあって固める。

復發其汗、榮衛和則愈、宜桂枝湯
この場合は、桂枝湯を用いて汗をとり、
営衛を調和すれば自汗出ずるものが癒えるのである。

桂枝湯
こちらを参照
【古医書】傷寒論を読む:弁太陽病脈証并治(上) 十二章・十三章桂枝・芍藥・甘草・生薑・大棗

提要:
何もしないで汗が出る者の病理と治法について

訳:
患者に絶えず自汗が出ているのは、
栄気が調和しているからであるが、
栄気が調和しているといっても、
外にある衛気はかえって協調がとれていない。
すなわち、衛気と栄気とが互いに協調していないので自汗が出る。
なぜなら栄気は脉中を、
衛気は脈外を循行しているからだ。
このような状況のもとでは、
やはり発汗法を用いて、栄気と衛気を調和させれば病証は癒え、
桂枝湯で治療すればよい。第十九法。前記第十二法の処方を用いる。


参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』   東洋学術出版社
『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房
『増補 傷寒論真髄』  績文堂
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社

生薬イメージ画像:
『中医臨床家のための中薬学』 医歯薬出版株式会社

画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみてあげて下さい。

為沢

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here