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こんにちは、為沢です。
今日は滑寿についてご紹介します。

滑寿かつじゅ

(1304年頃〜1386年頃)

字は伯仁。号は攖寧生えいねいせいと称しており
日本では滑伯仁、中国では滑寿の称で通っています。
滑寿の祖先は許州の襄城(河南省)の名家であったが、
祖父は江南の官吏となって、儀真に移ったため、
滑寿は儀真で出生しました。

幼少期より聡明にして学を好み、
儒学を修め、よく詩も作っていたようです。
(名医の記事を作ってて思うのですが、
皆 幼くして勉強好きなところが共通していますね。)
号にある”攖寧えいねい(意味:万物と触れあいながら自らは安らかでいること)
という言葉は『荘子』大宗師篇にみられ、
滑寿の哲学には老荘思想が根付いているように見受けます。

医学は王居中という名医のもとで学び、
『素問』『霊枢』『難経』などの古典を大いに研究しました。
また、張仲景劉完素李東垣の医学を学んだとあり、
古今の医学から学びを深めていきました。
その後、高洞陽に鍼術を学び、
湯液と鍼術に通じる医家となりました。

彼の著書で有名なのが、
正経十二経と任督二経を同等に論じた
『十四経発揮』三巻があります。
十四経脈の巡行規則を詳細に記し、
古医籍の十四経に関する資料を集め
より詳しい学説を展開しました。

日本では、1596年に豊臣秀吉の侍医をつとめ
『信長記』『太閤記』の著者でもある小瀬甫庵により、
日本で最初の古活字版医書として『十四経発揮』が刊行され、
その後、江戸時代に岡本一抱が分かりやすく
『十四経絡発揮和解』として、その内容をまとめ直しているほど
日本で広く知れ渡った医書であります。
また、彼が著した『難経本義』(難経を簡明に注釈・校定した医書)
にも大きな関心が寄せられ、これも数多くの医家により注解本が作成されました。

滑寿の主な著作:
『十四経発揮』
『難経本義』
『読素問鈔』
『診家枢要』
『本草発揮』
『傷寒例鈔』
『五臓補瀉心要』


参考文献:
『東洋医学 基礎編』
『いちばんわかる!東洋医学のきほん帳』学研
『東洋医学概論』医道の日本社
『現代語訳◉黄帝内経素問』
『現代語訳◉黄帝内経霊枢』
『中国医学の歴史』
『中医伝統流派の系譜』
『中国鍼灸各家学説』東洋学術出版社

アイキャッチ画像:
『十四経発揮 3巻』(京都大学附属図書館所蔵)
※クリックして頂くと、京都大学のデータベースにとびます。

為沢

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