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こんにちは、為沢です。
今日は李杲についてご紹介します。

李杲 りこう

(1180年〜1251年)

字は明之めいしといい、
晩年は東垣とうえん老人と号しておりました。
富豪の家に生まれた彼は
幼い時に母の病にあたった医師が臨終に際しても証が判断できず
母を亡くしてしまいました。
彼は母の死を深く悲しみ、同時に医学の道に進むことを決心し
私財を投げ打って張元素に師事し、医学の修得に励みました。
彼は数年でメキメキと頭角を現し、研鑽を重ねた結果、
当時の医家の流行りである傷寒論による論や
劉河間張子和による攻邪論による治療ではなく、
臓腑弁証を重視、特に脾胃の働きに注目し
『脾胃論』という学説を提唱して
甘温補脾の方法で内傷諸病を治療しました。
そのため、後世の人々から『補土派』(脾胃は五行の土にあたる為)
と呼ばれるようになります。

李杲の学術思想の中心にあるのが、

“内傷脾胃,百病由生”

和訓:
内に脾胃傷るれば、由りて百病を生ず。

という考え方です。

『黄帝内経素問』 平人気象論篇
“平人之常氣稟於胃.胃者.平人之常氣也.
人無胃氣曰逆.逆者死.”

和訓:
平人の常氣は胃に稟く。
胃なる者は平人の常氣なり。
人に胃氣無きを逆と曰う。逆なる者は死す。

これは『素問』にある胃気についての観点から
元気が人の生の根本であり、脾胃は元気の源であると考え
脾胃こそ元気の盛衰を決定する鍵であると唱えました。

主な著書:
『脾胃論』『内外傷弁惑論』
『蘭室秘蔵』『用薬法象』『医学発明』


参考文献:
『東洋医学 基礎編』
『いちばんわかる!東洋医学のきほん帳』学研
『東洋医学概論』医道の日本社
『現代語訳◉黄帝内経素問』
『現代語訳◉黄帝内経霊枢』
『中国医学の歴史』
『中国鍼灸各家学説』東洋学術出版社

アイキャッチ画像:
京都大学貴重資料デジタルアーカイブより
『東垣十書』
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00004306

為沢

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