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こんにちは、大原です。
前回の続き(『霊枢』の終始 その9)です。

<原文>
凡刺之属、三刺至穀氣。
邪僻妄合、陰陽易居、逆順相反、沈浮異處、四時不得。
稽留淫泆、須鍼而去。
故一刺則陽邪出、再刺則陰邪出、三刺則穀氣至。
穀氣至而止。
所謂穀氣至者已補而實、已寫而虚。
故以知穀氣至也。
邪氣獨去者陰與陽未能調而病知愈也。
故曰、補則實、寫則虚。痛雖不隨鍼、病必衰去矣。

<読み>
凡そ刺の属に、三刺して穀氣至るあり。
邪僻妄に合し、陰陽居を易え、逆順相反し、沈浮處を異にし、四時得ず。
稽留淫泆するものは、すべからく鍼して去らしむべし。
故に一刺するときは則ち陽邪出て、
再刺するときは則ち陰邪出て、
三刺するときは則ち穀氣至る。

穀氣至って止む。
いわゆる穀氣至るとは、已に補して実し、已に寫して虚す。
故に以て穀氣至ることを知るなり。
邪氣獨り去る者は陰と陽と未だ調うること能わずして病の愈ゆるを知るなり。
故に曰く、
補するときは則ち実し、寫するときは則ち虚す。
痛み鍼に隨ずといえども、病必ず衰え去るなりと。

はじめの方に出てくる「」という漢字ですが、
これは「密接不可分」「一心同体のような」というような意味があるようです。
つまりここでは
あらゆる刺法と密接な事項として、
『三刺して穀氣に至らしめる』ということがあります
となります。

ちなみに
この「」という字ですが、
『霊枢』経脈篇に多く出てきます。
例えば「肺は、手の太陰肺経なり、
中焦に起こり・・・(略)・・・、肺にす。
とあり、「手太陰肺経脈と肺は密接不可分である」という意味になります。

話を本題に戻して、
では「三刺」とはどういうものなのかが以下に続き、
一刺するときには陽邪が出て、
再刺することによって陰邪が出て、
三刺したときに穀氣(すなわち精気)が至るもので、
刺鍼とは、この穀氣が至ることで止めておくと書かれています。
(『鍼灸医学体系 黄帝内経霊枢』 第15巻 816ページを参考)

さらにこのあと「穀氣が至る」とは
どういうことがが書かれていますが
これは前回の記事の
「補瀉」の考えの記述が参考になると思います。
それを参考にするとここは
刺鍼で補または瀉法を行った後に、
実際の脈を診てその治療の通りに
実または虚の脈に変化していれば
これは穀氣が至っているということであり、
もし仮に痛みが続いていたとしても
病はいずれ衰え去っていく
となります。

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カフェが閉まっているので、近所のスーパーでちょっと良さげなコーヒーを買ってみました。おしゃれな感じで味も上品に感じました。

続きます。


参考文献
『鍼灸医学体系 黄帝内経霊枢』第15巻 雄渾社
『現代語訳◉黄帝内経 霊枢』上巻 東洋学術出版社

ご興味のおありの方は、ぜひ参考文献もお読みください。

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