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こんんちは、大原です。
『霊枢』のキーワードと思われる「終始」についての意味を
文脈から汲み取っていってます。
さて、「終始」とは
前回の根結篇(第5)では
鍼の治療における根本的な、かつ、玄妙なもの
という意味合いになるのではないか、ということでした。
(前回記事:『霊枢』の「終始」 その4

さて今回からは、
終始」の意味の核心に触れられているであろう
「終始篇」(第9)を
最初の段落からみていきましょう。

<原文>
凡刺之道畢于終始
明知終始、五藏爲紀、陰陽定矣。
陰者主藏、陽者主府。
陽受氣于四末、陰受氣于五藏。
故寫者迎之、補者隨之。
知迎知隨、氣可令和。
和氣之方、必通陰陽。
五藏爲陰、六府爲陽。
傳之後世、以血爲盟。
敬之者昌、慢之者亡、無道行私、必得天殃。

<読み>
凡その道は終始におわる。
明らかに終始を知り、五蔵を紀となし、陰陽定まる。
陰は蔵を主り、陽は府を主る。
陽は氣を四末に受け、陰は氣を五藏にく。
故に寫なる者はこれを迎え、補なる者はこれに隨う。
迎を知り隨を知り、氣和せしむべし。
和氣の方は、必ず陰陽に通ず。
五蔵を陰となし、六府を陽となす。
これを後世に伝え、血をもって盟となす。
これを敬する者はさかえ、これを慢にする者は亡ぶ。
無道にして私を行えば、必ず天のおう

<意味>
およそ刺鍼法の法則というものは、
終始ということをもって
すべて覆い尽くされるものである。
術者は終始の原理を十分認識して、
それにもとづいて施術を行わなければならない。
このためには
五臓六腑の状態というものを糸口として整理して陰陽を定めるものである。
陰は蔵を主り、陽は腑を主るものであり、
陽は気を手足の端末から受け、陰は気を五臓から受けるものである。

一般に、瀉法を行うときは迎えるという手法を用い、
補法を行う場合には随うという手法によるものである。
この「迎える」または「随う」という手法が適切に行われて、
はじめて陰陽の気を和せしむることができるものである。

気を和するための方法としては
必ず陰陽によく通じていなければならない。
五臓を陰とし、六腑を陽とするもので、
これについてはこれを後世に伝えるために血盟をせねばならない。
これを敬する者は昌え、
これをあなどりみだる者は亡びるものである。
無道にして自分勝手なことをすれば
必ず天罰を受けて
その災いを受けることは必至である。
(『鍼灸医学体系 黄帝内経霊枢』第15巻 758ページより引用)

繰り返しになりますが、
ここでは
鍼灸による施術を行う者は
終始」を理解しなければならず、
そのためには人体の陰陽に
よく通じていなければならない
とあります。
少しずつ「終始」の意味が見えてきました。

続きます。


参考文献
『鍼灸医学体系 黄帝内経霊枢』第15巻 雄渾社
『現代語訳◉黄帝内経 霊枢』上巻 東洋学術出版社

ご興味のおありの方は、ぜひ参考文献もお読みください。

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