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こんにちは、大原です。
こちらの記事の続きになります。
リンク:【古医書】雑病広要:中風

多紀元堅先生の肖像画
多紀元堅先生の肖像画

前回の記事では中風についての出だしの部分を読んでいきました。
さて、その続きです。


源因総説
中風者風氣中於人也風是四時之氣分布八方主養萬
物従其郷来者人中少死病不従郷来者人中多死病其為
病者蔵於皮膚之間内不得通外不得泄其入経脈行於五
蔵者各随蔵府而生病焉
男子則氣引其風女子則風随其血未有不因風血損命
葢風性緊暴善行数変其中人也卒其眩人也暈激人涎浮
昏人神乱故推為百病長
夫中風者皆因陰陽不調蔵府氣偏営衛失度氣血錯乱喜
怒過傷飲啖無節恣情嗜到於経道或虚或塞體虚而腠
理不密風邪之乗虚而中人也

(文献の原文(画像)から文字起こししておりますので、
誤りがある可能性がございます。
内容について正確に知りたい方は、
文献を直接確認していただければと思います。)

原文から読み方を考えたいと思います。

<読み>
原因総説
中風なる者、風氣、人に中(あた)るなり。
風、これ、四時の氣、八方に分布し、万物を養うを主(つかさど)る。
その郷より来る者、人、少しく死病に中り、
その郷によらず来る者、人、多く死病に中る。
その病なる者、皮膚の間に蔵し、
内は通じることを得ず、外は泄することを得ず、
その経脈に入り五蔵を行(めぐ)る者は、各蔵府に随いて病を生ずなり。
男子なればすなわち氣 その風を引き
女子なればすなわち風その血に随う。
いまだ風によらず血有らざれば命損ず。
けだし、風性なるもの、緊、暴にして、よく行(めぐ)り、
それ人に中るや、しばしば変ず。
卒かに人を眩とするなり。
激しく人を暈するは涎浮き、神乱させ人を昏するゆえに、
百病の長となるを推(お)す。
それ中風なる者、皆陰陽の不調による。
蔵府の氣の偏り、営衛度を失し、氣血錯乱し、喜怒過ぎ、飲啖に傷られ、
恣情、嗜慾節なく、経道に到り、あるいは虚あるいは塞あり。
体虚にして腠理、密ならず、風邪、乗この虚に乗じて人に中るなり。

原文の、文字の判読から、読み方までを考えていきました。
精度があまりよくないかも知れませんが参考になればと思います。
興味がありましたら、ぜひ原文を確認ください。

大まかな内容としては、
風邪にあたる原因は
みな陰陽の失調によるもので、それは

具体的には臓腑の氣の偏りや営衛の不調和、
停滞した水氣、情志の過ぎたることによる。

そのような状態で体が弱っていると
腠理が密にならず風邪が入り込んでしまうのである。

となると思います。

続きます。


参考文献
「近世漢方医学書集成48 多紀元堅」名著出版

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