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どうも、新川です。

今回は神門穴を解説致します。
※経穴の効能に関しては、あえて言及せず、
ここではなぜそのツボがその名称になったのかなどをお伝えしたいと思います。


【神門(手の少陰心経)】

「門」について
「門」は、以前掲載した「【漢字解説】期門穴」で解説しました、が、
念の為おさらいをしておきましょう。

会意:回転して開閉する二つのとびら(戸)が向かい合って立っているさまにより、
門、入り口などの意を表す。(角川新字源より)

①かど。もん。家の外囲いに設けた出入り口。
②物事の入り口。通らなければならない大事なところ
③いえ、いえがら。
④みうち。
⑤宗派
⑥物事の分類状の大別
⑦城門を守る
⑧城門を攻める
⑨もん。大砲を数える助数詞 ・・・(角川新字源より)

「神」の意味をみていきましょう
さて、今回の注目はここからです。
まずは漢字の成り立ちから見てみましょう。

「神」
「示」と、いなびかりの意と音とを示す「申」から成り、
もと、雷神・天神の意を表したが、転じて、
広く「かみ」、ひいて、人間わざを越えたはたらきの意を表す。・・・(角川新字源より)

一説によると、
雷は「神の怒りの表現」として捉えられており、
畏怖の対象だったといえます。

「示」(ネ)の意味もおさえておきましょう。
→もと、神の座に立てて神を寄りつかせる木の台の形にかたどる。
のち、これに、ささげたいけにえ、
またはその血液のさまを加えて、神の意を表す。
また指に通じ、転じて「しめす」意に用いる。
これを部首にして、神の名、神の働き、神に対する祭礼などの意を示す字ができている。・・・(角川新字源より)

実際に、「示」編の漢字を見てみると、
確かに「礼」「社」「祈」「祝」「祖」など、
神や祭礼関連の意味をもつものが多いです。

ちなみに
「中国医学辞典(鍼灸編)」をひくと、
『神とは神明』とあり、
心は五臓の中で、「君主之官」と称され、
精神活動に関係する臓とされている。 とあります。

神明とはなにか?

①神、精神を指す。
「心者、君主之官也。神明出焉。」(黄帝内経素問・霊蘭秘典論より)
②日、月、星のこと
「論言、天地之動静、神明為之紀」(黄帝内経素問・五運行大論篇より)

ここまでみた個人的な見解としては、
雷だったり、天体の「日、月、星」を指したりすることから、
光やなにか明るいものを意味していたようにも思えますね。

神門
神門

おまけ

漢字からは逸脱しますが、もう一つ。
古代中国では、
「神」は「天」を指しました。
「天」には、多様な概念が備わっており、
至上神、天空、自然界の理法、あるいは自然そのもの
などを意味します。
その中で、
道教の経典である『太平経』には
「神は気に乗りて行く。
故に人に気有れば則ち神有り、神有れば則ち気有り。
神去れば則ち気絶え、気亡びれば則ち神去る。」
と記され、身中神という観念を持っていたことが分かります。


参考文献:
『黄帝内経素問 上巻—現代語訳』
『黄帝内経素問 中巻—現代語訳』
『黄帝内経素問 下巻—現代語訳』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版
『鍼灸医学事典』 医道の日本社
『新字源』 角川書店
『図説 漢字の成り立ち事典』 教育出版
『中国宗教思想』 岩波書店

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

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