一鍼堂スタッフの為沢です。
今回は経渠と太淵を御紹介致します。


手太陰肺経
20070320130442.jpg
○経渠(けいきょ)
肺経の経金穴
「経」とは、あたかも水が滞りなく滑らかに河を流れて行くように
経気が経脈の中を流れている所という意味である。
「金」とは五行でいう肺に属する。
経渠は肺経の経気が休まず流れて留まらない状態を指す経穴である。
反応穴として診ますが、治療穴としてはあまり使用しないです。
金穴ということもあり、
肺気を直接促すには良い経穴ではないかと思います。
𣓤骨茎状突起拍動部内側の拍動部を「関」
関の抹消側を「寸」、関の中枢側を「尺」といい、
手太陰肺経の動脈で、
肺は宗気が存在すると同時に各臓腑の経脈が朝会する(あつまる)ので、
全身を伺うことができます。
つまり胃に入った水穀の気が全身を充実させる過程で、
肺に集まり、そこに全身状況が現われると考えているわけですから、
胃の気の盛衰、全身の生命力の盛衰がここに現われていると診ます。
経渠は脈診で関上(主に脾胃)を診るところにあります。
個人的な意見ですが、
脈診だけではなく、切経でも中焦の反応点や
肺気を促し中焦の治療穴として使えないかと思い、
今後自分で試してみたいと思います。
○太淵(たいえん)
肺経の兪土穴・原穴
脈会
「兪」とは水が浅い所から深い所へと流れ込むように
経気が集まり注ぐ所という意味である。
肺は金に属しており、
土は金を生じることから
太淵は手太陰肺経の母穴となる。
原穴とは、人体の原気(元気)の作用が集中する部位。
五臓六腑が病むと原穴に虚実の反応が出る。
太淵の場合は、肺臓が病むことで反応が出てくる。
脈会とは、八会穴の一つで
脈気が集まる所である。
すなわち、肺は心を補佐して血液循環を助けている。
また、血は心の作用により脈中をたえまなく流れているが、
血の正常な運行を維持しているのは、肺気の推動、調節作用である。
脈会が脈病に効果的なのは、肺気と深い関わりがあるためである。
太淵は原穴診でよく診ます。
原穴診は、五臓六腑の状態を把握する上で
非常に重要です。
実の場合、肺気不利、肺気不宣
虚の場合、肺気虚
に効果的です。
浅い経穴なので、施術には注意して下さいね。
直刺より横刺で対応して下さい。

学生さんのために

経渠、太淵、横並びの経穴ありますよ。
探しましょう(笑)
太淵の脈会も覚えておきましょう。
八会穴は必ず国試に出ます。
今年の国試終わりましたね。
受験生の方、いかがでしたか?
年々、難易度が上がって、
マニアックなところからの出題も増えていたと思います。
でも大筋の流れさえ掴めば、大丈夫かと思います。
受験勉強お疲れ様でした。
合格したら自分の信じる鍼灸術に打ち込んで下さい。


参考文献:『針灸学[経穴篇]』 
       『臨床経穴学』
       『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
       『臓腑経絡学』      アルテミシア
       『基礎中医学』      神戸中医学研究会
 為沢

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here