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雪

下野です。
先月はよく雪が降りました。
こんなに積雪があったのも、久しぶりでしたね。
春が待ち遠しいです。

では、今回も引き続き「諸病の主薬」になります。


【原文】
肺寒咳嗽、須用麻黄、杏仁、為主。
肺熱咳嗽、須用黄笒、桑白皮、為主。
咳嗽日久、須用款冬花、五味子、為主。
気喘、須用蘇子、桑白皮、為主。

<第十二に続く>


【解説】
肺寒の咳嗽には麻黄、杏仁を使用すべし。

肺熱の咳嗽には黄笒、桑白皮を使用すべし。

咳が続くものには款冬花、五味子を使用すべし。

気喘(呼吸促迫、困難)には蘇子、桑白皮を使用すべし。

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麻黄まおう

麻黄
麻黄

マオウ科のシナマオウなどの
同属植物の木質化していない地上茎。
性味:辛・微苦・温
帰経:肺・膀胱
効能:
①発汗解表
・外感風寒の悪寒や発熱、無汗、頭痛、関節痛などに。
方剤例 → 麻黄湯。

②宣肺平喘・止咳
・外邪による肺気不宣の呼吸困難、咳嗽に。
方剤例 → 三拗湯。
・寒飲の肺気不宣に。
方剤例 → 小青竜湯。
・壅熱による肺気不宣に。
方剤例 → 麻杏甘石湯・五虎湯・定喘湯。

③利水消腫
・表証を伴った水腫に。
方剤例 → 麻黄加朮湯・甘草麻黄湯。
・内熱の自汗や口乾、発熱などに。
方剤例 → 越婢湯・越婢加朮湯。
・裏寒の冷えや脈沈に。
方剤例 → 麻黄附子湯。

④その他
・遊走性の皮疹に。
・風寒湿痺の疼痛などに。
方剤例 → 陽和湯。

杏仁きょうにん

杏仁
杏仁

バラ科ホンアンズ、アンズの種子。
性味:苦・辛・温・小毒
帰経:肺・大腸
効能:
①止咳平喘
・外感や痰濁の実邪による咳嗽や呼吸困難に。
・風寒による喘咳や多痰に。
方剤例 → 杏蘇散・桂枝加厚朴杏仁湯。
・肺熱の喘嗽に。
方剤例 → 麻杏甘石湯・五虎湯。
・肺燥の喘咳に。
方剤例 → 桑杏湯。

②潤腸通便
・老人や産後血虚の腸燥便秘に。
方剤例 → 五仁丸・麻子仁丸・潤腸湯。

③その他
・肺気を宣通して水道通調する。
方剤例 → 三仁湯・杏仁滑石湯。

黄芩おうごん

黄芩
黄芩

シソ科のコガネバナの周皮を除いた根。
内部が充実し、細い円錐形をしたものを条芩、桂芩、尖芩などと称し、
老根で内部が黒く空洞になってものを枯芩、
さらに片条に割れたものを片芩と称する。
性味:苦・寒
帰経:肺・脾 ・大腸・小腸・胆
効能:
①清熱燥湿
・湿温・暑温初期の湿熱阻滞気機の胸が苦しいや、悪心、嘔吐などに。
・湿が熱より重いとき。 → 黄芩滑石湯。
・熱が湿より重いとき 。→ 甘露消毒丹。
・湿熱中阻の腹満や嘔吐時に。 → 半夏瀉心湯。
・大腸湿熱の下痢や裏急後重に。 → 黄芩湯・葛根黄芩黄蓮湯。
・湿熱黄疸に。

②清熱瀉火・解毒・凉血
・肺熱の咳嗽や呼吸の促迫、黄痰などに。
方剤例 → 清肺湯。
・上焦火熱の高熱や口渇、喉痛などに。
方剤例 → 凉膈散。
・上焦火盛の喉の腫れや痛み、皮膚化膿症に。
・血熱妄行の鼻血や吐血に。
方剤例 → 黄蓮解毒湯・三黄瀉心湯。

③清熱安胎
・妊娠中の蘊熱による下腹痛に。
方剤例 → 当帰散。

桑白皮そうはくひ(桑皮)

桑白皮『中医臨床のための中薬学』より
桑白皮『中医臨床のための中薬学』より

クワ科カラグワのコルク層を除去した根皮。
性味:甘・寒
帰経:肺
効能:
①瀉肺平喘
・肺熱の咳嗽や呼吸困難などに。
方剤例 → 瀉白散・五虎湯。

②利水消腫
・肺気壅実の浮腫や尿量の減少に。
方剤例 → 五皮散。

款冬花かんどうか(款花)

款冬花『中医臨床のための中薬学』より
款冬花『中医臨床のための中薬学』より

キク科のフキタンポポの花つぼみ。
性味:辛・温
帰経:肺
効能:
①潤肺止咳・消痰下気
・咳嗽や呼吸困難に用いる。
寒飲の場合の方剤例 → 射干麻黄湯。
肺熱の場合の方剤例 → 款冬花湯。
・咳嗽や血痰に用いる。
方剤例 → 百花丸。
・款冬花を焼いて、その煙を吸入しても良い。

五味子ごみし(五味)

五味子
五味子

マツブサ科チョウセンゴミの成熟した果実。
性味:酸・温
帰経:肺・心・腎
効能:
①斂肺止咳・定喘
・肺虚、肺腎両虚の慢性咳嗽や呼吸困難に。
方剤例 → 五味子湯・麦味地黄丸。
・肺寒の咳嗽に。
方剤例 → 五味細辛湯・小青竜湯。

②固表斂汗
・陰虚の盗汗や陽虚の自汗に。
方剤例 → 柏子仁丸。

③益腎固精
・腎虚の遺精や頻尿、尿失禁に。
方剤例 → 桑螵蛸丸。

④渋腸止瀉
・脾腎陽虚の五更泄瀉、慢性の下痢に。
方剤例 → 四神丸。

⑤益気生津・止渇
・気陰両傷の口渇や疲労感、動悸などに。
方剤例 → 生脈散・清暑益気湯。
・気陰両虚の消渇に。
方剤例 → 玉液湯・黄耆湯・麦門冬飲子。

蘇子そし

蘇子『中医臨床のための中薬学』より
蘇子『中医臨床のための中薬学』より

シソ科のチリメンジソ等やそれらの品種の分果。
性味:辛・温
帰経:肺・大腸
効能:
①下気消痰・止咳平喘
・痰壅気逆の咳嗽や呼吸困難、喘鳴などに。
方剤例 → 蘇子降気湯・三子養親湯。

②寛腸潤燥
・腸燥の便秘に。
方剤例 → 紫蘇麻仁粥。


<参考文献>
『万病回春解説』 創元社
『万病回春.巻之1-8』 早稲田大学 古典籍総合データベース
『中医臨床のための中薬学』 医歯薬出版株式会社
『本草綱目』 国立国会図書館デジタルコレクション
『東方栄養新書』 メディカルユーコン

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

下野

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