実りの秋

小堀です。
引き続き、婦人産後病を学んでいきます。
4条からは、産後の腹痛について書かれています。

産後腹中荳痛、当帰生姜羊肉湯主之。并治腹中寒疝、虚労不足。

産後の血虚状態にあり、正気が虚しているため
寒邪が侵入しやすく、冷え・疼痛が生じる。
これには当帰生姜羊肉湯を用いる。

産後の腹痛は『婦人良方』では「児枕腹痛」といわれ、
分娩後に生じる下腹部痛のことをいう。
妊娠によって膨張した子宮が分娩後に突然空虚になり、
収縮時に起きる鈍痛は生理現象のため当てはまらない。

当帰生姜羊肉湯は、金匱要略腹満寒疝宿食病篇第十の十八条にも
登場しており、血虚がある人の寒疝を主治としている。
寒疝の疝とは腹痛のことで、寒疝は脾胃の虚寒に
風寒邪が侵入しておこる強い腹痛である。

当帰・生姜・羊肉で構成されており、
当帰で養血し、生姜で散寒し、羊肉は補虚生血に働く。


産後腹痛、煩満不得臥、枳実芍薬散主之。

産後に気血の鬱滞があって生じた腹痛で、
胸が詰まり煩躁し、横になることもできない実証に
枳実芍薬散を用いる。

枳実・白芍を等量、麦粥とともに一日三回服用する。
麦粥は胃を保護しその働きを安定させる。

・枳実(きじつ)

枳実
枳実

性味:苦、微寒
帰経:脾・胃・大腸

主な薬効と応用
①破気消積 ②化痰除痞

・白芍

芍薬
芍薬

性味:苦・酸、微寒
帰経:肝・脾

主な効能:
①補血斂陰②柔肝止痛③平肝斂陰
④利水剤の補助として


参考文献:
『金匱要略も読もう』
『中医婦人科』
『中医食療方』
『中医基本用語辞典』東洋学術出版社
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

小堀


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