道行く人のすべてが
自分とは違って見え、
自分だけが苦しみの中にあり、
眼に映る健康に見える全ての人が
うらやましく思え、
夜が来るのが怖く、
朝が来るのが怖く、
あすが来るのが怖く、
人に会うのが怖く、
そういった事が病苦に生きるということであり、
これは僕の知る完全な孤独の一つです。
何度もそんな中に生きて来た僕自身でありますから、
どういう縁でしょうか。
僕の前に現れた人に対しては
僕の持ちうる全ての技術で
そういう中から引っ張り出して
あげられることが出来るのであれば、
僕の全ての過去と
僕の全ての未来と
思考と行動の果実は
全て捧げてもいいと心から思えるのです。
あのような苦しみの時間から逃れられる人がいるのなら、
それに全てをかける意義があると僕は思っています。
そして、それを可能な限り最短で美しく行いたいです。
それこそ僕の人生の使い方です。
人のためという言葉は少し違います。
自分の中の叫びを
消すような作業に近いのかもしれません。
とにかく全うしたいと思います。
あの日からそのようにあれと
示されてるように僕には強く感じています。

  鍼師 林玄弌

先日、山で撮った写真です。


 

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