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陳皮
陳皮

張仲景の古医書『傷寒論しょうかんろん』の解説です。

今回の傷寒論は弁厥陰病脈証并治 三百三十三章。
この章は、厥陰病で誤治を行い、除中証の危候となった場合について
詳しく述べております。


三百三十三章

傷寒脉遲六七日、而反與黄芩湯撤其熱。
脉遲爲寒、今與黄芩湯復除其熱、
腹中應冷、當不能食、今反能食、此名除中、必死。

和訓:
傷寒脉遲なること六七日、而るに反って黄芩湯を与え其の熱を徹す。
脉遲なるは寒と為し、今黄芩湯を与え、腹た其の熱を除けば、
腹中応に冷え、当に食すること能わざるべし。
今反って能く食するは、此れ除中と名づけ、必ず死す。


傷寒脉遲六七日、而反與黄芩湯撤其熱。
厥陰病で寒邪が直接裏に入ったために脉遅を示している。
裏では陽虚寒盛になっているのであるから、
必ず四肢厥冷、下痢をみる。
しかし6〜7日経過し、厥冷が主る時期なのに、
発熱しているが下痢がまだ治らないのは、
医者がこの状態を太陽と少陽の合病と誤り、
黄芩湯でこの熱を下げたからである。

脉遲爲寒、今與黄芩湯復除其熱、
腹中應冷、當不能食、今反能食、此名除中、必死。

陽虚はさらに甚だしく、腹中は陰寒が占有し、
食事をとることは通常では難しくなる。
だが突然発熱し、食欲が起こって食事ができるのは、
胃腸が亡脱して中気がすでにない危険な状態である。
このような場合は必ず陽気が外(表)に脱し、死に達してしまう。

提要:
厥陰病で誤治を行い、除中証の危候となった場合について

『現代語訳 宋本傷寒論』訳を使用:
傷寒の病に罹り、脈が遅となって六七日経った頃、
これを理に反して黄芩湯で清熱した。
脈遅は寒があることを表すのに、
黄芩湯を投与して清熱をはかった結果、
腹中は冷えてしまい、食事を取ることができなくなるはずであるのに、
今かえって食事が摂れるなら、
これは除中と呼ばれる状態で、患者は必ず死亡する。


参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』   東洋学術出版社
『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房
『増補 傷寒論真髄』  績文堂
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社

生薬イメージ画像:為沢 画

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

為沢

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