こんにちは北野です。
今回は新たに衛気営血弁証について書いていきたいと思います。

≪衛気営血弁証≫

衛気営血弁証は、
清代の著名な温病学者である葉天士が
提唱した弁証方法であり、
これは外感温熱病の弁証に用いられる。
衛気営血弁証には、衛分病、気分病、営分病、血分病
という四つの異なる証候がある。
衛気は人体の肌表部に分布しているため、
病邪が侵入すると、まず、この衛分に影響する。
そしてこの邪が衛分に鬱してなかなか去らないと、
さらに裏に入り気分証となる。
気分の病邪がなかなか去らず、
患者の正気が病弱で津液が虚していると、
病邪はこの虚に乗じて内陥し営分に入る。
また、営分に熱があり、それがいっそう進むと血分証となる。

衛気営血弁証は、これら温熱病の四つの異なる
証候を概括したものであり、
また温熱病病変の発展過程を病位、
病の程度にもとづき四つの段階に分類したものである。
その病変部位について述べると、
衛分証は、表を主どっており、
その病は肺と皮毛にある。
気分証は裏証を主どっており、
その病は胸膈、肺、胃、腸などの臓腑にある
また営分証は邪熱が心営に入ったものであり、
その病は心と心包絡にある
そして血分証は邪熱が深く肝腎まで入ったものであり、
その主要な病変には耗血、動血がある。
鍼灸による温熱病の治療については、
『霊枢』熱病、『霊枢』刺節真邪、
『素問』刺熱論、『素問』熱論などの
篇に詳しい記述があり、これらが鍼灸による
温熱病治療に理論的、臨床的意義を提供している。
次に各証の臨床所見および治療について紹介する。

【衛分証】

衛分証は、
温熱の邪気が肌表に侵襲したために、
衛気の機能が失調しておこる証候である。
これは温熱病の初期によくみられる。
肺は皮毛を主どっており、また衛気は肺に通じている。
したがって衛分証は、肺経の症状を伴うことが多い。
衛分証は、八綱弁証の表熱証に相当する。

【臨床所見】

発熱、軽い悪風悪寒、舌辺部と舌尖部は紅、
脈浮数。頭痛。口乾、軽い口渇、咳嗽、咽喉腫痛などを伴う。

【証候分析】

①発熱、悪寒:
外邪が肌表に侵襲したために、衛気が鬱の状態にされておこる。
温は陽邪であるので、この場合は発熱が重く、悪寒は軽いものとなる。

②舌質紅、脈浮数:
温熱の邪が表にあるために現れる。

③頭痛:
温熱の邪が清竅に上擾(上に影響すること)しておこる。

④咳嗽:
肺は皮毛に合し、衛気と通じているので、
衛気が鬱し肺気不宣となると咳嗽がおこる。

⑤咽候腫痛:
喉は肺の門戸である。温熱の邪が肺に侵襲し、
この門戸に影響すると咽喉腫痛がおこる。

【治療】

治法:疏風宣肺解表

治療穴:手太陰経、手陽明経穴、督脈経穴を主に取る。

手法:鍼を浅刺し、瀉法を施す。灸法も可。

次回は気分証について書いていきたいと思います。


『参考文献』

『針灸学』     東洋学術出版社
『中医診断学ノート』東洋学術出版社

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