下野です。

どうもモヤモヤして
寝付けない日が続いておりましたので、
夜遅かったのですが、
気分転換にのんびりと
散歩に出ることにしました。
夜風に当たることで、
頭がスッキリし
新たな発見や閃きがあり、
有意義な時間となりました。

午前0時
午前0時

では「薬性の歌」に参ります。


【原文】
草果味辛、消食除脹、截瘧逐痰、解温辟瘴。
常山苦寒、截瘧捐痰、解傷寒熱、水脹能寬。
良姜性熱、下気温中、轉筋霍乱、酒食能攻。
山査味甘、磨消肉食、療疝催瘡、消膨健胃。
神麹味甘、開胃消食、破結逐痰、調中下気。

<第二十一に続く>


【解説】
草果は味辛。
消化不良や腹部の脹満を除き
瘧疾を止め、痰を去り、
温疫の病に用いる。

常山は苦寒。
瘧疾を止め、痰を吐かせ
傷寒による熱を解し、水脹をよくさばく。

良姜の性は熱。
気を下して中焦を温め、
転筋や霍乱に用いる。
酒毒や宿食をさばく。

山査の味は甘。
肉食による食積をさばき、
疝気、湿疹、腹痛を治し
胃を健やかにさせる。

神麹は味甘。
和胃消食に働き、
結を取り痰を逐して
中を和して行気する。

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◉草果

ショウガ科のビャクヅク属植物の
成熟した果実を乾燥させたもの。
性味:辛・大温
帰経:脾・胃
効能:
①散寒燥湿
・寒湿内積による胸腹部の張った痛みに。
方剤例 → 草果飲
・湿濁鬱伏の腹痛や嘔吐などに。
方剤例 → 草果平胃散
・湿滞痰飲による頭痛や悪心に。

②除痰截瘧
・脾胃の痰湿鬱伏による瘧疾で、悪寒・下痢・食欲不振など。
方剤例 → 截瘧七宝飲
・温疫や瘧疾で、不定期的に悪寒と発熱・頭痛・顔面紅潮・口渇などに。
方剤例 → 常山飲・達原飲・柴胡達原飲・清脾飲

◉常山

ユキノシタ科のジョウザンアジサイの根を
天日干ししたもの。
性味:苦・寒・辛・小毒
帰経:肺・心・肝
効能:
①吐痰行水
・胸中の痰飲による胸苦しい・舌苔が膩など。

②截瘧
・悪寒発熱の発作を繰り返す(截瘧)に。
方剤例 → 截瘧七宝飲
・上記疾患で痰熱に偏るとき。
方剤例 → 常山飲

◉良姜

ショウガ科コウリョウキョウの根茎。
性味:辛・熱
帰経:脾・胃
効能:
①散寒止痛
・寒邪傷胃の腹部の冷え・痛みに。
方剤例 → 良附丸・高良姜湯
・ヘルニアによる下腹部の突発的な痛み。

②温中止嘔
・胃寒気逆の悪心や嘔吐・曖気に。

◉山査

バラ科サンザシの成熟した果実。
性味:酸・甘・微温
帰経:脾・胃・肝
効能:
①消食化積
・油ものや肉食による食積の腹痛や下痢に。
又は小児の傷乳下痢に。
方剤例 → 保和丸

②止痢
・細菌性の下痢に。

③破気化瘀
・産後瘀阻の腹痛や悪露の停滞。
又は血瘀の月経痛に。

④消脹散結
・疝気の下腹痛や陰嚢腫大に。

⑤その他
・麻疹の初期や透発が不十分な時に。

◉神麹

米や小麦を酵母菌で発酵させたもの。
一般的に麹(こうじ)と呼ばれている。
性味:辛・甘・温
帰経:脾・胃
効能:
①消食和胃
・飲食積滞の腹満や、腐臭を伴う曖気・腹痛・下痢に。
方剤例 →保和丸・麹麦枳朮丸

②その他
・消化しにくい鉱石類を含んだ丸剤に。
方剤例 → 磁朱丸・万氏牛黄清心丸


<参考文献>
『万病回春解説』 創元社
『万病回春.巻之1-8』 早稲田大学 古典籍総合データベース
『まんが漢方入門』 医道の日本社
『中医臨床のための中薬学』 医歯薬出版株式会社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

下野

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