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こんにちは、大原です。
まだお正月気分も抜けきれませんが
前回の続きをやっていきましょう。

(前回の記事:金匱要略 瘧病脉證并治(第4) その1)

師曰。陰氣孤絶。陽氣獨發。則熱而少氣。
手足熱而欲嘔。名曰癉瘧。
若但熱不寒者。邪氣内藏於心。
外舍分肉之間。令人消鑠脱肉。
温瘧者。其脉如平。身無寒。但熱。骨節疼煩。時嘔。白虎加桂枝湯主之。

(読み)
師の曰わく、陰気孤絶し、陽氣独り発すれば則ち熱して少氣煩寃(はんえん)し、
手足熱して嘔せんと欲す。名づけて癉瘧(たんぎゃく)と曰う。

もしただ熱して寒せざる者は、邪氣内は心に蔵し、
外は分肉之間に舎り、人をして肌肉を消鑠(しょうしゃく)せしむ。

温瘧(おんぎゃく)なる者、其の脉平のごとく、身に寒無く、ただ熱し、骨節疼煩(こっせつとうはん)し、時に嘔す。
白虎加桂枝湯(びゃっこかけいしとう)これを主る。

「陰気孤絶(いんきこぜつ)」とは
陰気と陽気がうまく調和しないで、陰気がひとり陽気と交わらず、
陽気だけが発し熱が出て「少気(しょうき)」となる。
「少気」とは浅い呼吸のことである。
浅い呼吸で「煩寃(はんえん)」するためにもだえ苦しむことになる。
さらに、手足が熱して嘔気がある。これを「癉瘧(たんぎゃく)」という。

熱だけがあって寒気がないときは、
邪気が内にこもっていて
「外は分肉の間に舎り」なので
皮肉との間に邪気がこもっていて、
筋肉を消耗させて痩せてくるということで
非常に衰弱してくることが記されている。

「温瘧」の脈は異常な脈はしておらず、
体に寒がなくて熱だけ出る。
さらに関節が痛み、ときに嘔気がある。
このような場合には白虎加桂枝湯が良い。
おそらく、関節に痛みがあることから桂枝を加えていると思われる。
すなわち、
・白虎湯→「内は心に熱がこもり」(心にこもった内熱を取り除く)
・桂枝→「外は分肉の間に舎り」(分肉の間の邪気を取り除く)
というように表裏の熱を取るということである。

——————————————————-
白虎加桂枝湯方
知母六兩
甘草二兩炙
石膏一斤
粳米二合
桂枝去皮三兩.
右剉。毎五錢。水一盞半。煎至八分。去滓。温服。汗出愈。

白虎加桂枝湯の方
知母(六両)
甘草(二両、炙る)
石膏(一斤)
粳米(二合)
桂枝(三両。皮を去る)
右を剉み、毎五錢、水一盞(いっさん)半で煎じて八分に至り、滓を去り、温服す。
汗出でて愈ゆ。

また『中医臨床のための方剤学』より、
白虎加桂枝湯については以下のように記されています。

「白虎加桂枝湯は
清熱生津の白虎湯に桂枝を加えたもので、
清熱解肌・通絡に働く。
条文(上述)の内容↓
 温瘧(おんぎゃく)なる者、其の脉平のごとく、身に寒無く、ただ熱し、骨節疼煩(こっせつとうはん)し、時に嘔す。
白虎加桂枝湯(びゃっこかけいしとう)これを主る。
これより、
・身に寒無く、ただ熱し
・嘔す
は陽明病変であり、
・骨節疼煩
は太陽病変である。
・其の脉平のごとく
と、脈は弦でないことから、少陽病変ではない。
以上より、
陽明裏熱が太陽表寒により欝遏(うつあつ)されて瘧(ぎゃく)を呈するのであるから、
白虎湯で内熱を清し桂枝で解肌散寒するのである。
熱痺に対しては白虎湯で清熱し桂枝で痛絡する。

さらに、『温病条弁』でも白虎加桂枝湯を温瘧に用いるとあり、
その中では、清熱薬が増やされ、
かつ、桂枝は辛散の力が弱い「桂枝木」を用いて、
温熱病に対する配慮がみられる。」

とあり、参考になります。

続きます。


<参考文献>
『金匱要略講話』
『傷寒論解説』 創元社
『金匱要略も読もう』 東洋学術出版社
『寝ころんで読む傷寒論・温熱論』 中外医学社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
ぜひ参考文献を読んでみて下さい。

大原

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