どうも、新川です。

今回は、
前回に引き続き
吉益東洞に関しての記事です。

前回の記事はこちらです。
【東洋医学史】古方派について 第五

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今回は、吉益東洞が提唱した
万病一毒説
について綴って参ります。

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万病一毒説の〝毒〟とは?

病気を種々に分類し、
病名を付け、対処法を論じる既存の中国医学は思弁・臆断に凝り固まっている。
全ての病気は一つの毒によって起こるものであり、
体内で形を変えて出現しているに過ぎない。
従ってこの毒を薬という毒(毒薬)で排除すればよい。
これを「万病一毒」と言う。
『「吉益東洞の研究――日本漢方創造の思想」 岩波書店 より』

東洞の考える〝毒〟とは、
後天的に生じたもので、
それらの多くは腹中にあることから、
腹診によってそれらを捉えることをなによりの論拠とした。

また〝毒〟があること自体は病気ではなく、
それらが動くことが発病であると考えており、
〝毒〟に対して処方が効いたかどうかは瞑眩の有無によって判断していた。

続く


<参考文献>
『日本医療史』 吉川弘文館
『鍼灸医学事典』 医道の日本社
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『図説 東洋医学〈基礎篇〉』 学習研究社
『建殊録』農山漁村文化協会
『東洞全集』思文閣
『吉益東洞「古書医言」の研究』汲古書院
『吉益東洞の研究 日本漢方創造の思想』岩波書店

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

新川

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