こんにちは、新川です。

彼岸花
彼岸花

・・・・・・・・・・・・田んぼのあぜ道に 一本筋の通った茎 真っ赤な花


【原文】
黄帝問曰、五運更治、上応天期。
陰陽往復、寒暑迎随。真邪相薄、内外分離、六経波蕩、五気傾移、太過不及、専勝兼并。
願言其始、而有常名。可得聞乎。
岐伯稽首再拝対曰、昭乎哉問也。是明道也。
此上帝所貴、先師伝之。臣雖不敏、往聞其旨。
帝曰、余聞、得其人不教、是謂失道、伝非其人、慢泄天宝。余誠菲徳、未足以受至道、然而衆子哀其不終。
願夫子保於無窮、流於無極。余司其事、則而行之。奈何。
岐伯曰、請遂言之也。上経曰、夫道者、上知天文、下知地理、中知人事、可以長久。此之謂也。
帝曰、何謂也。
岐伯曰、本気位也。位天者、天文也。位地者、地理也。
通於人気之変化者、人事也。故太過者先天、不及者後天。所謂治化、而人応之也。

帝曰、五運之化、太過何如。
岐伯曰、歳木太過、風気流行、脾土受邪。民病飧泄、食減、体重、煩寃、腸鳴、腹支満、上応歳星。
甚則忽忽善怒、眩冒巓疾。化気不政、生気独治。
雲物飛動、草木不寧、甚而揺落。反脇痛、而吐甚。衝陽絶者、死不治。上応太白星。

歳火太過、炎暑流行、金肺受邪。民病瘧、少気、咳喘、血溢、血泄、注下、嗌燥、耳聾、中熱、肩背熱。
上応熒惑星。甚則胸中痛、脇支満、脇痛、膺背肩胛間痛、両臂内痛、身熱骨痛、而為浸淫。
收気不行、長気独明、雨水霜寒、上応辰星。上臨少陰少陽、火燔焫、水泉涸、物焦槁。
病反譫妄狂越、咳喘息鳴。下甚、血溢泄不已。太淵絶者、死不治。上応熒惑星。

歳土太過、雨湿流行、腎水受邪。民病腹痛、清厥、意不楽。
体重、煩寃。上応鎮星。甚則肌肉萎、足痿不收。
行善瘛、脚下痛。飲発中満、食減、四支不挙。変生得位、蔵気伏、化気独治之、泉涌河衍、涸沢生魚、風雨大至、土崩潰、鱗見於陸。
病腹満溏泄、腸鳴、反下甚。而太谿絶者、死不治。上応歳星。

歳金太過、燥気流行、肝木受邪。民病両脇下少腹痛、目赤痛、眦瘍、耳無所聞。
粛殺而甚、則体重、煩寃、胸痛引背、両脇満且痛引少腹、上応太白星。
甚則喘咳逆気、肩背痛、尻陰股膝髀䯒足皆病、上応熒惑星。收気峻、生気下、草木斂蒼乾凋隕。
病反暴痛胠脇、不可反側。咳逆甚而血溢。太衝絶者、死不治。上応太白星。

歳水太過、寒気流行、邪害心火。
民病身熱煩心、躁悸、陰厥、上下中寒、譫妄心痛。
寒気早至、上応辰星。甚則腹大脛腫、喘咳、寝汗出、憎風、大雨至、埃霧朦鬱、上応鎮星。
上臨太陽、雨氷雪霜不時降、湿気変物。
病反腹満、腸鳴溏泄、食不化、渇而妄冒。
神門絶者、死不治。上応熒惑辰星。
帝曰、善。

其不及何如。
岐伯曰、悉乎哉問也。
歳木不及、燥乃大行、生気失応、草木晩栄。粛殺而甚、則剛木辟著、悉萎蒼乾、上応太白星。
民病中清、胠脇痛、少腹痛、腸鳴溏泄。涼雨時至、上応太白星。
其穀蒼。上臨陽明、生気失政、草木再栄、化気廼急、上応太白鎮星、其主蒼早。
復則炎暑流火、湿性燥、柔脆草木焦槁、下体再生。華実斉化。
病寒熱瘡瘍疿胗癰痤、上応熒惑太白、其穀白堅。
白露早降、收殺気行、寒雨害物、虫食甘黄。
脾土受邪、赤気後化、心気晩治。上勝肺金、白気廼屈、其穀不成。咳而鼽。上応熒惑太白星。

歳火不及、寒迺大行、長政不用、物栄而下。
凝慘而甚、則陽気不化、廼折栄美、上応辰星。
民病胸中痛、脇支満、両脇痛、膺背肩胛間及両臂内痛、鬱冒朦昧。
心痛暴瘖、胸腹大、脇下与腰背相引而痛、甚則屈不能伸、髖髀如別。上応熒惑辰星、其穀丹。
復則埃鬱、大雨且至、黒気廼辱。病鶩溏腹満、食飲不下、寒中、腸鳴泄注、腹痛、暴攣痿痺、足不任身。
上応鎮星辰星。玄穀不成。

歳土不及、風迺大行、化気不令、草木茂栄、飄揚而甚、秀而不実。
上応歳星。民病飧泄、霍乱、体重腹痛、筋骨繇復、肌肉瞤酸、善怒。
蔵気挙事、蟄虫早附、咸病寒中、上応歳星鎮星、其穀黅。
復則收政厳峻、名木蒼凋、胸脇暴痛、下引少腹、善大息。
虫食甘黄、気客於脾、黅穀迺減、民食少失味。
蒼穀廼損、上応太白歳星。上臨厥陰、流水不氷、蟄虫来見。
蔵気不用、白迺不復。上応歳星、民迺康。

歳金不及、炎火迺行、生気迺用、長気専勝、庶物以茂、燥爍以行、上応熒惑星。
民病肩背瞀重、鼽嚔、血便注下。
收気廼後、上応太白星、其穀堅芒。
復則寒雨暴至、廼零氷雹霜雪殺物、陰厥且格、陽反上行、頭脳戸痛、延及囟頂発熱。
上応辰星、丹穀不成。民病口瘡、甚則心痛。

歳水不及、湿廼大行、長気反用、其化廼速、暑雨数至。
上応鎮星。民病腹満、身重、濡泄、寒瘍流水、腰股痛発、膕腨股膝不便、煩寃、足痿清厥、脚下痛、甚則跗腫。
蔵気不政、腎気不衡。上応辰星、其穀秬。上臨太陰、則大寒数挙、蟄虫早蔵、地積堅氷、陽光不治。
民病寒疾於下、甚則腹満浮腫。上応鎮星、其主黅穀。
復則大風暴発、草偃木零、生長不鮮、面色時変、筋骨併辟、肉瞤瘛、目視[目荒の下部分][目荒の下部分]、物疏璺 、肌肉胗発、気并鬲中、痛於心腹。
黄気迺損、其穀不登、上応歳星。
帝曰、善。

願聞其時也。
岐伯曰、悉哉問也。
木不及、春有鳴条律暢之化、則秋有霧露清涼之政。
春有慘凄残賊之勝、則夏有炎暑燔爍之復。
其眚東、其蔵肝、其病内舍胠脇、外在関節。
火不及、夏有炳明光顕之化、則冬有厳粛霜寒之政。
夏有慘淒凝冽之勝、則不時有埃昏大雨之復。
其眚南、其蔵心、其病内舍膺脇、外在経絡。
土不及、四維有埃雲潤沢之化、則春有鳴條鼓拆之政。
四維発振拉飄騰之変、則秋有粛殺霖霪之復。
其眚四維、其蔵脾、其病内舍心腹、外在肌肉四肢。
金不及、夏有光顕鬱蒸之令、則冬有嚴凝整粛之応。
夏有炎爍燔燎之変、則秋有冰雹霜雪之復。
其眚西、其蔵肺、其病内舍膺脇肩背、外在皮毛。
水不及、四維有湍潤埃雲之化、則不時有和風生発之応。
四維発埃昏驟注之変、則不時有飄蕩振拉之復。
其眚北、其蔵腎、其病内舍腰脊骨髄、外在谿谷踹膝。
夫五運之政、猶権衡也。高者抑之、下者挙之、化者応之、変者復之。此生長化成收蔵之理、気之常也。
失常則天地四塞矣。故曰、天地之動静、神明為之紀、陰陽之往復、寒暑彰其兆。此之謂也。

帝曰、夫子之言五気之変、四時之応、可謂悉矣。
夫気之動乱、触遇而作、発無常会、卒然災合。何以期之。
岐伯曰、夫気之動変、固不常在。而徳化政令災変、不同其候也。
帝曰、何謂也。
岐伯曰、東方生風、風生木。
其徳敷和、其化生栄、其政舒啓、其令風、其変振発、其災散落。
南方生熱、熱生火。其徳彰顕、其化蕃茂、其政明曜、其令熱、其変銷爍、其災燔焫。
中央生湿、湿生土。其徳溽蒸、其化豊備、其政安静、其令湿、其変驟注、其災霖潰。
西方生燥、燥生金。其徳清潔、其化緊斂、其政勁切、其令燥、其変粛殺、其災蒼隕。
北方生寒、寒生水。其徳淒滄、其化清謐、其政凝粛、其令寒、其変凓冽、其災氷雪霜雹。
是以察其動也、有徳有化、有政有令、有変有災、而物由之、而人応之也。

帝曰、夫子之言歳候、不及其太過、而上応五星。
今夫徳化政令、災眚変易、非常而有也。
卒然而動、其亦為之変乎。
岐伯曰、承天而行之。故無妄動、無不応也。卒然而動者、気之交変也、其不応焉。
故曰、応常不応卒。此之謂也。
帝曰、其応奈何。
岐伯曰、各従其気化也。
帝曰、其行之徐疾逆順何如。
岐伯曰、以道留久、逆守而小、是謂省下。
以道而去、去而速来、曲而過之、是謂省遺過也。
久留而環、或離或附、是謂議災与其徳也。
応近則小、応遠則大。芒而大、倍常之一、其化甚、大常之二、其眚即也。
小常之一、其化減、小常之二、是謂臨視。
省下之過与其徳也。徳者福之、過者伐之。
是以象之見也、高而遠則小、下而近則大。
故大則喜怒邇、小則禍福遠。
歳運太過、則運星北越、運気相得、則各行以道。
故歳運太過、畏星失色、而兼其母、不及則色兼其所不勝。
肖者瞿瞿、莫知其妙、閔閔之当、孰者為良。妄行無徴、示畏侯王。
帝曰、其災応何如。
岐伯曰、亦各従其化也。故時至有盛衰、凌犯有逆順、留守有多少、形見有善悪、宿属有勝負、徴応有吉凶矣。
帝曰、其善悪何謂也。
岐伯曰、有喜有怒、有憂有喪、有沢有燥、此象之常也。必謹察之。
帝曰、六者高下異乎。
岐伯曰、象見高下、其応一也。故人亦応之。
帝曰、善。

其徳化政令之動静損益、皆何如。
岐伯曰、夫徳化政令災変不能相加也。
勝復盛衰不能相多也。往来大小不能相過也。
用之升降不能相無也。各従其動而復之耳。
帝曰、其病生何如。
岐伯曰、徳化者気之祥。政令者気之章。変易者復之紀。災眚者傷之始、気相勝者和、不相勝者病、重感於邪則甚也。
帝曰、善。
所謂精光之論、大聖之業、宣明大道、通於無窮、究於無極也。
余聞之、善言天者、必応於人、善言古者、必験於今、善言気者、必彰於物、善言応者、同天地之化、善言化言変者、通神明之理。
非夫子孰能言至道歟。
迺択良兆、而蔵之霊室、毎旦読之、命曰『気交変』。非斎戒不敢発。慎伝也。


黄帝がいう。
「〜ところで気の変動は気が互いに遭遇して発生するものであり、
変動が発生する時間は一定しておらず、
突然に遭遇すれば災害が起こるのであれば、
どのように予知できるのか。」
岐伯がいう。
「五気の変動はもとより経常的に存在するものではなく、
しかもそれらの特性・生成化育の働き・万物を支配する方法とその現れ方、
および一定の万物を害する働きと異変は、すべてそれぞれ異なっているのです。

黄帝がさらにいう。
「どのような違いがあるのか。」
岐伯がいう。
「●の気は東方に起こりますが、の気を旺盛にさせることができます。
木の気の特性は穏和に発散することであり、
その生成化育の作用は繁殖させ茂らせる働きであり、
その職権は陽気をのびやかに敷き広げ、筋や絡をのびやかにさせることであり、
その権力の現れはであり、その異変は発散させ過ぎたり、
落ち着きなく振動させることであり、
その災害は物が折れて散り落ちることです。

の気は南方に起こりますが、の気を旺盛にさせることができます。
火の気の特性は輝いてはっきり現れることであり、
その生成化育の作用は生い茂らせる働きであり、
それが行使する職権は明るく輝かせることであり、
その権力の現れはであり、
その異変は焼き溶かしたり煮つめたりしるような暑さであり、
その災害は物が焼けることです。

湿の気は中央に起こりますが、
湿の気を旺盛にさせることができます。
土の気の特性は潤すことであり、その生成化育の作用は充実させ豊満にすることであり、
それが行使する職権は比較的静かで落ち着いており、
その権力の現れは湿り気であり、その異常は急激なにわか雨であり、
その災害は長雨が続き、ぬかるんだり堤が決壊したりすることです。

の気は西方に起こりますが、
の気を旺盛にさせることができます。
金の気の特性は清らかですがすがしいことであり、
その生成化育の作用は引きしめたり収斂したりする働きであり、
その職権は鋭くさし迫ったものであり、
その権力の現れは乾燥であり、その異変は生命を枯らす厳しい気象であり、
その災害は物が枯れ落ちることです。

の気は北方に起こりますが、
の気を旺盛にさせることができます。
水の気の特性は寒冷であり、
その生成化育の作用は静め潜める働きであり、
その職権は凝り固まらせ厳しくすることであり、
その権力の現れは寒さであり、その異変は激しい寒さと凍結であり、
その災害は氷・雹・霜・雪です。

だからそれらの活動を観察し、それらの特性・生成化育の作用・権力・その現れ・異変・災害を識別すれば、
万物がそれによって変化を起こしており、
そして人間がそれによって疾病を起こしているのであるということが分かるのです。」
『黄帝内経素問 下巻—現代語訳』より

※気候の変化には正常なものと異常なものがあり、
それらを知るためには絶えず観察を重ねていくことで、
変化の原因、種類、影響を知ることが出来る。


それらの五運の特性・生成化育の作用・運動およびその現れなどの、
変動の様子や量的な変化はどのようであるのか。」
岐伯がいう。
「それらの特性・生成化育の作用・運動とその現れや、
災害・異変は、一定したものであり、
互いに付け加えたりすることはできないものです。
だから抑制と反発との盛衰、前進と後退や拡大と縮小、
および上昇と下降なども、
すべて一定の法則性を備えており、
すべて運動の中から生み出されてくるものなのです。」
黄帝がいう。
「その疾病の発生に対する関係はどのようであるのか。」
岐伯がいう。
「正常な場合の特性と生成化育の作用とは、
気の、利益をもたらす側面であり、
運動とその現れは、その顕著な作用であり、
異常な変化は、反発の原動力であり、
災害は、万物が傷つけられる源なのです。
人間の正常の気が邪気を拒むことができれば、
平穏で病気にかかりませんが、
邪気を拒むことができなければ、
病気にかかり、重ねて邪気を感受すれば、
病気は一層重くなります。〜」 『黄帝内経素問 下巻—現代語訳』より

※気候の変化による疾病は、
主に人体の抵抗力によって左右されるものであり、
その年の気に順応することで回避出来る。


参考文献:
『黄帝内経素問 上巻—現代語訳』
『黄帝内経素問 中巻—現代語訳』
『黄帝内経素問 下巻—現代語訳』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版
『臓腑経絡学』 アルテミシア
『鍼灸医学事典』 医道の日本社
『内経気象学入門』 緑書房

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

新川

2 コメント

  1. 新川先生、ご無沙汰してます(^^;

    うちの近くには田んぼがないので、彼岸花の写真、なんだか懐かしく感じました。

    白いのもありますよね?

    また、気候の良いときに彼岸花、見に行きたいものです(*^^*)

    • 彼岸花を見にドライブするのも、なかなか「おつ」ですね。
      白いものがあるのは知りませんでした^_^;

      10月にもかかわらず、
      日中はまだまだ暑い日が続きますので、
      体調にはくれぐれもお気をつけ下さい。

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