下積み修行中の宮村さんのお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学んで参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参ります。
どうか見守り 応援してやって下さい。


2013/02/27(12診目)→2013/03/24(15診目)

大阪府堺市在住のM.Aさん

【主訴】肺癌

【既往歴】なし


淡紅舌
白苔
舌尖にやや瘀斑あり
舌辺にやや歯痕あり
やや胖大
舌中に潤い


約一ヶ月前に写真をとった時とは別人のような舌です。
【考察】
舌中から舌根にかけての白苔、
胖大舌、舌中部の潤いから
脾・腎に水湿の停滞が考えられます。
また、舌尖の瘀斑、
舌辺の歯痕から
上焦にやや熱がうかがえます。

長期の闘病による肺気の損傷による
肺の虚弱から水液の代謝異常が起こり、
それが水湿の停滞になり、
腎、脾に影響を与える。
腎の弱りによる納気(粛降)機能の低下、
脾の弱りによる気虚などから
咳、喘息などの症状につながったと考えます。

以前の舌と比較すると、
舌質が淡から淡紅に変化し、
舌苔も白膩苔から白苔へと変化しています。
胖大舌も以前に比べて引き締まり、
水湿の停滞も改善されています。
予後良好と考えます。
生気は建ってきているのでそれに関しては良いのでありますが、
邪との戦い方、
このかた では
抗がん剤治療をどうするか、

また、するにしてもその負担と、邪の状態、
それから、

生気の状態と予測を
その場面、その場面で
追っていきながら
補佐しなくてはならないので、

一言で予後良好というわけにはいかんので、そこだけはご注意を。
(※林注)


【瘀斑】
舌面に見られる大きさ・形状がさまざまな青紫~紫黒色の斑点で、
舌面から隆起しないものである。
斑状のものを「瘀斑」という。
気血瘀滞によって発生し、紫舌とほぼ同じ意味を持つ。

【胖大】
正常の舌体より太って大きいもの。舌質淡であれば、
脾腎陽虚で現れることが多い。
水飲や痰湿の停滞によりおこるものである。

【膩苔】
舌面がねっとりとした苔でおおわれ、顆粒が細かく緻密である、
剥離しにくいもの。痰飲・湿温などの病証によく見られる。

【肺と腎の関係】
肺と腎はともに呼吸と水液代謝に関係し、
東洋医学では肺は呼気を主り、
腎が吸気を主るとされます。
また肺は水の上源であり、腎は水を主る臓とされ、
この二つが働くことで水液代謝が正常に行われる。


参考文献:
『中医臨床のための舌診と脈診』 神戸中医学研究会
『針灸学[基礎編]』 東洋学術出版社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

宮村

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