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下積み修行中の木村さんのお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学び成長して参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参りますので
どうか見守り 応援してやって下さい。


脾虚風動証・風痰による手顫

※手顫(シュセン:手の振戦・手の震え)
脾虚風動証では脾虚に乗じて肝風が内動し発生します。
本証には先に食欲不振や泄瀉などの脾虚による症状がみられ、
その後に眩暈・振戦などの肝風による症状が出現する傾向があります。
痙攣や昏迷が出現した場合は、
重篤な病症としてとらえられます。
症状の特徴としては、
手の振戦が間歇、握力の減弱・疲労倦怠感・腹満・軟便・眩暈
舌胖大・舌質淡・舌苔薄白・脈は沈緩で無力あるいは弦緩などであります。
治法は健脾定風であります。
又、「脾は生痰の源たり」とあるように、
脾が虚すと湿が積集して痰が生じ、
痰飲が動き風が生じて 手顫が発生するので、
脾虚生風と風痰の根本的な病理機序は同じく脾虚であります。
しかし、脾虚生風は脾虚に乗じた肝風によって生じるのに対し、
風痰の手顫は風痰が経絡を阻滞して経脈が
正常な機能を失うために発生するという違いがあります。

風痰では、手の振戦にしびれや張った感じをともない、
悪心・嘔吐・胸が張る・口が粘る・舌苔白膩・脈弦滑
などを呈するので鑑別できます。
治法は祛風化痰であります。
※風痰
もともと陰が欠損していれば、
陽気だけが昂ぶり、風が起きます。
一方脾 の運化機能が失調すれば湿痰が体内に発生します。
底へ更に情志の退化、飲酒、過労、気候などの要素が重なれば、
肝風と蓄積した痰がぶつかって、風痰となります。
痰は風邪に伴われて上昇し、
気血とともに勢いに乗じて上逆し、
清竅を覆い、突然昏倒します。
あるいは風痰が経絡に流れ込んだり、
臓腑に籠城したりすれば、
癇病が起きます。

●手顫について
手顫は手部に限局するが、臓腑の病変のあらわれであります。
特に、肝風と風痰の手顫は、
中風(脳血管障害)の前駆症状であることが多いと考えられています。
≪医林改錯≫では、中風の前駆症状として十数ヵ条をあげており、
手顫については「一手の長戦するものあり、両手の長戦するものあり、
手の無名指の毎日一時ありて屈して伸びざるものあり、
手の大指ゆえなく自ら動くものあり」と述べている。
手顫を積極的に治療することにより、
中風の発生を未然に防ぐことができると考えられます。

補足:脾虚による風は、慢驚風とよび、小児に多発する。


参考文献:
『症状による中医診断と治療』 燎原
『中医弁証学』 東洋医学出版社
『中医病因病機学』 東洋医学出版社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみてあげて下さい。

木村

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