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為沢です。

今日は『類経』の続きを紹介して参ります。


攝生類

二、上古聖人之教下

『素問』上古天真論 &『類経』による解説

夫上古聖人之教下也,皆謂之虛邪賊風,避之有時,
(此上古聖人之教民遠害也。
虛邪,謂風從沖後來者主殺主害。
故聖人之畏虛邪,如避矢石然,此治外之道也。
虛邪義詳運氣類三十五、六及疾病類四。夫音扶。)

恬憺虛無,真氣從之,精神內守,病安從來?
(恬,安靜也。憺,樸素也。虛,湛然無物也。
無,窅然莫測也。恬憺者,泊然不願乎其外;虛無者,漠然無所動於中也。
所以真氣無不從,精神無不守,又何病之足慮哉?
此治內之道也。又無為恬憺詳義見陰陽類二。恬音甜。憺音淡。窅音杳。)


和訓:
上古聖人の下に教う

『素問』上古天真論『類経』による解説

夫れ上古聖人の下教えるや,皆これ虛邪賊風,これを避けるに時ありと謂う。
(此れ上古聖人の民に教え害を遠ざけるなり。
虛邪,風の衝後より来るものをいい、殺すことを主り害することを主る。
故に聖人は虛邪をおそれること,矢石を避けるが如し,しかり此れ外を治すの道なり。
虛邪の義は運氣類三十五、六及び疾病類四に詳し。夫、音は扶。)

恬憺てんたん、虛無なれば真氣これに從い、精神の內を守る,病いずくんぞ從い來らんや?
(恬は,安靜なり。憺は,素朴なり。虛は,湛然たんぜんとして無き物なり。
無は,窅然ようぜんとして測ることなきなり。
恬憺の者は,其の外を願わず;虛無の者は,漠然として中を動するの道なり。
真氣無ければ從わず,精神無ければ守らず,又何の病をもんぱか足るや?
此れ內を治すの道なり。また無為、恬憺の詳義は陰陽類二に見る。
恬、音は甜。憺、音は淡。窅、音は杳。)


・虚邪 … 虚に乗じて入り込む邪のこと。
・賊風 … 四季の正常でない気候のこと。人体を害して疾病を起こすものを指す。
恬憺虛無てんたんきょむ … 無欲無心であっさりしている様子。
(恬憺虛無については先日、大原先生の記事でも解説してましたので、
ご興味のある方はこちらもご覧下さい。→恬憺虚無(てんたんきょむ)

聖人の教訓として民に疾病予防の方法を説いたもので、
虚邪賊風の自然現象に対して注意深く対処することや、
無欲無心で精神の安定を図ることが大事だと説いております。


千里南公園にて
千里南公園にて

参考文献:
『类经』中医古籍出版社
『和訓語註 類經講話 一』績文堂出版
『現代語訳◎黄帝内経素問 上巻』東洋学術出版社
『中医基本用語辞典』東洋学術出版社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

為沢

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