こんにちは、大原です。
前回の続きです。
(前回 鍼灸甲乙経を読む その64

今回の内容は
『霊枢』行鍼篇(第67)の内容と同じになります。

問曰「或神動而氣先鍼行、
或氣與鍼相逢、
或鍼已出氣獨行、
或數刺乃知、
或發鍼而氣逆、
或數刺病益甚。
凡此六者、各不同形、願聞其方。」

<意味>
問いて申すに
「ある者はその精神感動によって鍼をするよりも先に気が動き、
あるものは刺鍼と気とがぴったりと一致し、
あるものは鍼を抜いてから気だけが遅れていき、
またあるものは数回鍼をしてようやくそれに気付いた状態であり、
あるものは鍼を抜いて気が逆したり、
あるものは数回鍼をして病気が却って悪化することもあった。
以上の6つのものは同じ刺鍼に対して反応の仕方が同じでない。
これはどうしたことであろうか?
この場合の正しい方法というのはどうなのか、
それについてお聞かせ願いたい」と。

対曰「重陽之盛人、其神易動、其氣易往也。
熇熇高高、言語善疾、擧足善高。
心肺之藏氣有餘、陽氣滑盛而揚、故神動而氣先行。

申し上げるに
「重陽の人はその神経が過敏で、気がめぐりやすいのです。
非常に情熱的で、かつ卑屈の所なく、言語はよく早口になり、足はしばしば高く挙げます。
心や肺の臓器が有余な状態にありますので、
陽気の運動が滑らか、かつ盛んで発揚的であります。
それゆえに神経は過敏となり、鍼よりも気の方が先にめぐるのです。

此人頗有陰者也、多陽者多喜、多陰者多怒、數怒者易解、故曰頗有陰。
其陰陽之離合難、故其神不能先行。

また、陽が多い人は喜ぶことが多く、陰の多い人は怒りっぽいものです。
ですから怒りやすい人は陰が多いということが分かります。
それゆえすこぶる陰があって、その陰陽が離合するものは
それゆえに神が先にめぐるということができないのです。

陰陽和調者、血氣淖澤滑利、故鍼入而氣出、疾而相逢也。

陰と陽とが調和しまして、血気はうるおいなめらかで
通りもよくありますので、
鍼が入るとそれに気が応じまして
はやく相逢うことになります。

其陰多而陽少、陰氣沈而陽氣浮者、内藏、
故鍼已出、氣乃隨其後、故獨行也。

陰気は多く陽気が少ないと、
元来は陰気は沈みて陽気は浮いているものですが、
陰気が多いために陽気は陰気にとざされて
陽気は沈んで蔵に入ります。
それゆえに鍼とともにめぐることができず、鍼を抜いてしばらくした後、
その後に従って独りめぐります。

其多陰而少陽者、其氣沈而氣往難、故數刺乃知。

また、陰が多くて陽が少ない場合、
陰気のために陽気が閉じ込められて

なかなか陽気は動けません。
それゆえ何回か刺してはじめてこれを知るのです。

其氣逆與其數刺病益甚者、非陰陽之氣、浮沈之勢也、
此皆粗之所敗、工之所失、其形氣無過也。」

その気が逆するのと、
また数回刺して病気が悪化するのは陰陽の気のためではありません。

陰陽気血の盛衰浮沈の勢いのおもむくところに関係のあることであります。
これらはみな粗劣な医師によって造成されたり、
または一般医師の技術上のミスによるもので、

体質や気血の反応状態に関係のないものであります」と。

『鍼灸甲乙経』の第1巻は以上になります。
第1巻だけで、1年ほどかかりました。
(参考:鍼灸甲乙経を読む その1
ここまで続けて読んで頂いた方、
お付き合い頂きありがとうございました。

梅田にある、オーガニック素材を使用している定食屋さんにて。「ナチュラルキッチン」というところです。お椀にあるのは、玄米と小豆ご飯です。優しい味でとても美味しかったです。
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参考文献
『黄帝内経霊枢』 東洋学術出版社
『鍼灸医学大系 黄帝内経素問』
『鍼灸医学大系 黄帝内経霊枢』雄渾社
『完訳 鍼灸甲乙経(上巻)』三和書籍
『基礎中医学』 燎原

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

大原

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