<近日開催予定のイベント情報>
10月13日(日)に学生向け勉強会を開催します。
詳しくはこちら→https://www.1sshindo.com/blog/zenith19048/


どうも、新川です。

商店街の中の銭湯
商店街の中の銭湯

風呂上がり
商店街を通り抜ける夜風が
心地よかったです。

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さて、
ここからが本題です。
今回も
尉繚子「制談」篇の続きです。


【制談】
いま、天下の諸国は、
侵略の脅威に怯えては、重宝を貢ぎ物とし、愛児を人質に差し出し、
領土を割譲してまで他国の援助を求めるに汲々たるありさまである。
だが、
援助とはそもそも何であろうか。
その実態を考えるがよい。
かりに援軍十万と称しても、その実は数万人に過ぎぬではないか。
しかも、
かれらの戦意はどうか。
口先だけは勇ましく、
「先陣は引き受けた。人後に落ちずに戦い抜くぞ」などと大言壮語するが、
実際はかれらほど頼み甲斐のない連中もないのである。
さて、
他国からの援軍はさておき、
わが国情について考えよう。
そもそも軍隊は、法制が確立していなければ掌握することは不可能である。
十万の兵を統率する地位にありながら、
王はただかれらに衣食を与えるのみで、
軍は戦っても勝てず、守っても支えきれない。
これは兵士たちの責任ではなく、
管理を忘れた結果なのであって、いわば自業自得である。
自国の軍がこんなていたらくでは、
たとい諸国の精鋭の来援を得て戦おうとも、
駄馬が駿馬と競うようなもの、
とても呼吸があわないであろう。


吾用天下之用為用、吾制天下之制為制、
修吾号令、明吾刑賞、使天下非農無所得爵、
使民揚臂争出農戦、
而天下無敵矣。


われ、天下の用をもちいて用となし、
われ、天下の制を制して制となし、わが号令を修め、
わが刑賞を明らかにし、
天下をして農にあらずんば食を得るところなく、
戦いにあらずんば爵を得るところなからしめ、
民をしてひじを揚げて争い出でて、
農戦せしめば、天下に敵なからん。

 

勝敗を決する要因は、あくまでみずからの内にある。
天下の経済を支配するには足る経済計画を持ち、
天下の法制とするに足る法制を整備し、
指揮系統を確立し、賞罰の規定を明瞭にし、
生産にいそしまぬ者は生活できず、
戦争に協力せぬ者は栄誉を得られぬようにする。
民心を作興して、平時にあっては生産に、有事の際には戦闘に、
おのおのが全力をあげて取り組むようしむける。
こうなれば、まさしく天下無敵である。

自らが出来る事を理解し、
それに向けて準備を行うことこそが、
そのものの実力であり、自力である。

続く


参考文献:
『孫子・呉子・尉繚子・六韜・三略 』 徳間書店
『孫子・呉子』 プレジデント社
『老子』 岩波文庫

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

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