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こんにちは、為沢です。
今回は陳藏器ちんぞうきをご紹介します。

陳藏器は淅江省鄞県の人で、683年に生まれ757年に没する。
唐代に活躍した薬物・方剤学者で、
713年〜741年まで京兆府三原県(陜西省高陵県の西北)において
県尉(警察署長の役割)の職にありました。

陳藏器は『神農本草経』を研究。
既に陶弘景らの修訂があったものの、まだまだ漏れが多いと考え
本草拾遺ほんぞうしゅうい』十巻を著しました。
『本草拾遺』はすでに散逸してしまってますが、
宋代の唐慎微による『証類本草』、
明代の李時珍による『本草綱目』の中に
『本草拾遺』の内容が多く採用されています。
特に李時珍は『本草拾遺』を高く評価し、
“同書は広く医籍に通じ、奥深いところをさぐり出した書籍である”
と讃えております。

この『本草拾遺』、讃えられている一方で批判もあります。
というのも、人血・人肉・人胆などの品目も収載しているからです!(ヒェ〜!!(゚Д゚)
『本草拾遺』は散逸していますが、
『新唐書』孝友伝(唐代の正史)に『本草拾遺』の引用があります。
「いわく人肉は疾を癒すなり。
おのずと民間の多く父母の疾に股肉を割き進呈する」
と記されております。
これはどういう意味かというと、
当時、父母あるいは夫が難病に罹ると、
子や妻は如何なる代償を払っても、その病気を治さなければならない、
といった時代の風潮があり、父母の病気を治すために
自分の股肉(大腿の筋肉のこと)を割いて身内に与えたそうです。。。
その孝子38人の名を孝友伝、孝女伝で載せて、
時の政府はその行為を推奨し表彰しました。
しかし、後世の医家は”人肉を薬で用いるとは何ぞや!”と
その行為を批難しております。

そりゃそうですよね。。
本当に人肉が効いたのか??と興味はあるものの
人道的に検証するのは気が引けるので、
李時珍の『本草綱目』を調べたところ、
人部という項目がありました!
その中で人尿や人血、歯や涙とか色々 医薬として掲載している中で
人肉も挙げてます。
ただ、李時珍は『本草拾遺』を賞賛しつつも
これに関しては”残酷極まりないものだ”として迷信に近いものとしています。


参考文献:
『東洋医学 基礎編』
『いちばんわかる!東洋医学のきほん帳』学研
『東洋医学概論』医道の日本社
『現代語訳◉黄帝内経素問』
『現代語訳◉黄帝内経霊枢』
『中国医学の歴史』
『中国鍼灸各家学説』東洋学術出版社

為沢

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