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こんにちは、大原です。
前回は、現代における日射病と思われる内容についての記載でした。
今回はその続きです。
前回の記事はこちら↓
金匱要略 痙湿暍病脈証治(第2)⑦

<条文2-27>
太陽中熱者、暍是也。汗出惡寒、身熱而渇。白虎加人參湯主之。
(太陽の中熱は暍これなり。汗出でて悪寒し、身熱して渇す。
白虎加人参湯これを主る。)

●白虎加人參湯方
知母ちも六兩
石膏せっこう一斤くだく
甘草二兩
粳米こうべい六合
人參三兩
右五味、以水一斗、煮米熟、湯成去滓、温服一升。日三服。
(右五味、水一をもって、煮て米熟し、とう成りてかすを去り、一升を温服す。日に三服す。)

日射病で汗が出てさむけがし、体に熱があって、咽が渇くものは
白虎加人參湯が主治する。
条文中の「中熱」とは、「熱にあたる」という意味ですね。

<条文2-28>
太陽中暍、身熱疼重、而脉微弱、此以夏月傷冷水、水行皮中所致也。
一物瓜蔕湯主之。
(太陽の中暍ちゅうえつ、身熱疼重とうじゅうしかして脉微弱、
これ夏月冷水に傷られ、水皮中を行くをもって致すところなり。
一物瓜蔕湯いちもつかていとうこれを主る。)

一物瓜帯湯方
瓜帯かてい二七箇
右剉、以水一升、煮取五合、去滓、頓服。
(右きざみ、水一升をもって、煮て五合を取り、かすを去り、頓服とんぷくす。)

瓜蔕(かてい)という、あまり聞き慣れない生薬が出てきました。
「蔕」の字は旧字で、現代ではくさかんむりに「帯」と書くようです。
瓜蔕とはウリのヘタのことだそうで、
料理では捨てるところですね。
分類としては催吐薬に分類されており、
胃中に宿食があって胸がつかえて苦しいときなどにも用いられ、
嘔吐があれば服用を中止するそうです。

条文では、
夏場に冷水を飲んで胃などに負担がかかっているときに
これが良いとあります。おそらく、
・ウリの体を冷やす効果
・胃中の水邪を吐かせる効果
を狙ったものだと思います。

痙湿暍病脈証治(第2)は以上になります。

近所の公園にて 一輪の赤い花が目に止まりました。
近所の公園にて 一輪の赤い花が目に止まりました。

<参考文献>
『金匱要略講話』 創元社
『金匱要略も読もう』 東洋学術出版社
『中医臨床のための中薬学』 神戸中医学研究会
『中医臨床のための方剤学』 神戸中医学研究会

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
ぜひ参考文献を読んでみて下さい。

大原

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