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どうも、新川です。

7月の鎌倉 雲一つない晴天でした 江ノ島電鉄長谷駅にて
7月の鎌倉 雲一つない晴天でした 江ノ島電鉄長谷駅にて

江ノ島電鉄に揺られに鎌倉へ行って来ました。

鎌倉から江ノ島へ向かう途中、
同じ車両に乗り合わせた御夫婦から、
「ここはドラマの舞台にもなった場所ですよ」と
声をかけていただき、
しばし談笑の時間を過ごしました。
こういうのも旅の醍醐味ですね笑

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さて、
ここからが本題です。
今回から「図国」篇の続きです。


【図国】

武候嘗謀事、群臣莫能及。罷朝而有喜色。
起進曰、昔楚荘王嘗謀事。群臣莫能及。罷朝而有憂色。
申公問曰、君有憂色何也。曰、寡人聞之。世不絶聖。國不乏賢。
能得其師者王、能得其友者霸。今寡人不才、而群臣莫及者。
楚國其殆矣。此楚莊王所憂。而君説之。臣窃懼矣。於是武侯有慚色。

武候、かつて事を謀るに、
群臣よく及ぶものなし。朝を罷りて喜色あり。
起進みて曰く、
「昔、楚の荘王かつて事を謀る。
群臣よく及ぶものなし。
朝を罷りて憂色あり。
申公問いて曰く、『君、憂色あるは何ぞや』
曰く、
『寡人これを聞く。
“世、聖を絶たず。
国、賢の乏しからず。よくその師を得るものは王たり、
よくその友を得るものは覇たり”と。
いま寡人不才にして群臣及ぶものなし。
楚国それ殆うからん』
これ楚の荘王の憂うるところなり。
而るに君これを説ぶ。臣窃かに懼る」
ここにおいて、武候、慚ずる色あり。

 

→武候が臣下たちと会議を開いた際、
誰ひとりとして武候よりすぐれた意見を出したものがなかった。
退出するとき、武候は得意満面であった。
すると、
呉起が進み出て言った。
「むかし楚の荘王が臣下たちと会議を開いたところ、
誰ひとりとして荘王よりすぐれた意見を出したものがありませんでした。
政務を終えて退出するとき、荘王は、満面に憂愁の色をたたえておりました。
そこで申公という臣下が
『なぜそのような心配顔でおられるのです』
とたずねました。
王はこたえていいました。
『”どのような時代にも聖人はおり、
どのような国にも賢者がいないことはない
聖人を見出して師とあおぐものは王となり、
賢者を見出して友とするものは覇者となる”
というではないか。
ところが、いまわたしには自分よりすぐれた臣下がいないことわかった。
わが国の前途はどうなることか』
このように荘王は、
臣下の無能を悲しんだのです。
しかるに、あなたは、それを喜んでおられる。
わたくしは危惧の念をいだかざるを得ません」
武候の顔に慚愧の色がうかんだ。

「長」という立場を得ると、
その場にいることで優越感を感じ、
本来の役割である組織を統率することから
かけ離れた振る舞いや行動に出てしまうことがある。
いかに能力のあるものを育てられるか。
真の「長」の下であれば、
有能な部下が育つであろうことを示唆している。

続く


参考文献:
『孫子・呉子・尉繚子・六韜・三略 』 徳間書店
『孫子・呉子』 プレジデント社
『老子』 岩波文庫

参考サイト:
『呉子副詮』 国文学研究資料館HPより

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

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