少しずつ症例を公開していこうと考えています。
まずは最近の症例から。
初診日 平成19年 4月某日
Mさん、70歳、主婦
主訴
肩凝り…夜間に肩凝りがきつくなる
耳鳴り…高い音がして、聴力減退し補聴器をつけている
腰痛 …運動開始時に痛み、重だるい
肩凝りだからといって、
患部の筋や神経に着目しても治すことは難しいです。
肩凝りがどこからおこっているのか判断しなければなりません。
東洋医学では外邪(風・寒・暑・湿・燥の外的な邪気)や、
飲食不摂生・ストレスなどによる内臓への負担、
また内臓自体の機能の弱りで病が発すると考えられます。
Mさんの場合、主訴は腎の弱り
(東洋医学では耳鳴り・腰のだるさは主に腎の弱りと診ます)
から来る症状と診られ、問診や切診
(つまりは脈や腹部、経穴を触診することによる伝統的診断法)
からも腎の弱りが顕著に診られた。
処方は
主に足少陰腎経の経穴に軽く鍼を置くことで腎の弱りを補い、
ストレスによる気の滞りも診られたので
手太陽小腸経の経穴に鍼を置き、
その気の滞りとそれに伴う熱を取り去った。
肩凝りの改善とともに、耳の聞こえが良くなったと自覚。
運動開始時の腰痛も改善され、治療後スムーズにベッドから起き上がられた。
つまり二本の鍼にて症状を緩和させることに成功しました。
治療は3週間8診。
現在は肩凝り大分軽くなり耳鳴り落ち着き、耳の聞こえ良くなる。
腰は若干重さ残るが運動開始時の痛みは改善。
症状を楽にするのも大事なことですが、
しっかりと病の根を取り去り症状が元の状態に戻らないようにすることが肝腎なのです。
Mさんは主訴に関して満足される程度まで落ち着いたので、
治療をご卒業して頂き日常生活に戻られています。
しかし、少しでも症状出た場合は早めに治療すればすぐ取れるので、
後の経過に対してはよく注意して頂きます。

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