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7月9日(日):第四回、鍼灸学生の為の勉強会〜【医古文・漢文の読み方】〜 7/9 詳しくはこちら


この傷寒論のシリーズは、
当院の修行生によって毎週、水曜日の早朝に開かれる、
自主的な勉強会におけるメモ・備忘録となります。
古典の専門家によるものではなく、
一から学ぶ者の新鮮な目線を共有出来れば幸いに思います。



6/21(水)
太陽病中篇より

105条
傷寒、十三日不解、過経、譫語者、以有熱也、当以湯下之、
若小便利者、大便当鞕、而反下利、脈調和者、知医以丸薬下之、非其治也、
若自下利者、脈当微厥、今反和者、此為内実也、調胃承気湯主之。

本条文の意味は以下の様になる。
傷寒に罹り日数が長く経過して譫語(うわごと)を発するのは
邪熱があるためであり、湯液をもって下すべきである。
もし、小便の回数が多くなり大便が硬くなって、
しかし下痢を発して脈が調和した場合は
医者が丸薬を用いて下したということであり、
これは治し方が間違っている。
もし、自ら下痢し、脈微、厥の状態で、
反って脈が調和するのは内実の証であり、調胃承気湯がこれを主る。

胃内に熱邪が留まり、
その熱が上焦(心)を犯すことで譫語を発すが、
その発生機序は、傷寒に対して発汗した後、熱が少陽経へ留まり、
その邪が胃に熱をもたらすということのようである。

また、「丸薬」とは、下法を行うためのものであるが、
水気を下し熱邪を下さずという作用のようである。
そのため津液が下ってしまい、小便利、大便固しという状況になる。
すなわちここで医者は
寒証であるという診立てを行った可能性がある。
この後治療は、陽明病に転化した可能性を考え、
小便の状況などから
例えば247条の麻子仁丸を用いることになる可能性もある。

さて、条文の中で出てくる「脈が和する」とはどういうことなのだろうか。
二通りの読み方がある。
①脈と症状が合わない。すなわち、症状があるにも関わらず、その症状にあった脈をしていない。
②調和している脈。すなわち身体が整い、そのうち病が癒えることを予想できる脈。

結論からすると、②の読み方が妥当のようである。
①の読み方をすると、後半の内容で
「虚寒の状態を脈は表し、すなわち内実である・・・」などとなり
矛盾が生じてしまうためである。

(続く)


参加者:下野、新川、大原、盧

 

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