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どうも、新川です。

今年はあまり梅雨らしくない日々が続いており、
先日のお休みも、
日射しが痛いぐらいの晴天に恵まれましたので、
五月山ドライブウェイへ行ってみました。

晴天 五月山ドライブウェイ
晴天 五月山ドライブウェイ

真っ青な空です笑
日焼けしても逞しい小麦色になることはなく、
ただただ皮膚が赤くなってしまうので、
運転中でも長袖は必須ですね。

さて、
ここからが本題です。
今回からは
「兵勢」篇が始まります。

【兵法】孫子 兵勢篇 其ノ一


【兵勢】
戦の要諦は、
「実」すなわち充実した戦力をもって、
「虛」すなわち手薄な敵を撃つことに尽きる。

このような戦法は、戦争の常道(正)である。
そしてこの常道は、
個々の場面に応じた縦横の戦術(奇)となってあらわれなければならない。

声不過五、五声之変、不可勝聴也。
色不過五、五色之変、不可勝観也。
味不過五、五味之変、不可勝嘗也。

声は五に過ぎざるも、五声の変はげて聴くべからず。
色は五に過ぎざるも、五色の変は勝げて観るべからず。
味は五に過ぎざるも、五味の変は勝げてむべからず。

兵法の書で、「声」「色」「味」という言葉が出てくることに意表をつかれるが、
意味として以下の解釈がとれる。

音階の基本は、宮・商・角・徴・羽の五つにすぎないが、
これをいろいろに組み合わせれば、数えきれぬ変化が生ずるではないか。
色彩の基本は、青・赤・黄・白・黒の五つにすぎないが、
これをさまざまに組み合わせれば、数えきれぬ変化が生ずるではないか。
味の基本は、辛・酸・鹹・甘・苦の五つにすぎないが、
これをとりどりに組み合わせれば、数えきれぬ変化が生ずるではないか。

これらの考え方を兵法に置き換えると
以下の様になる。

【奇正の変化】

戦勢、不過奇正、奇正之変、不可勝窮也。
奇正相生、如循環之無端。孰能窮之。

戦勢は奇正に過ぎざるも、奇正の変は勝げてきわむべからず。奇正のあい生ずること、循環の端なきがごとし。孰かよくこれを窮めんや。

勝敗の帰趨を決定する要因は、「正」と「奇」の両者があるだけだが、その変化は無限である。
「正」は「奇」を生み、「奇」は「正」となり、円環さながらに連なってつきないのが、奇正の変化なのである。

音、色、味 それぞれの組合せのように、
組合せ方によってあまたの可能性があるものが奇正の変化の真髄である。

次回へ続く


参考文献:
『孫子・呉子・尉繚子・六韜・三略 』 徳間書店
『孫子・呉子』 プレジデント社
『老子』 岩波文庫

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

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