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この傷寒論のシリーズは、
当院の修行生によって毎週、水曜日の早朝に開かれる、
自主的な勉強会におけるメモ・備忘録となります。
古典の専門家によるものではなく、
一から学ぶ者の新鮮な目線を共有出来れば幸いに思います。



3/22(水)
太陽病中篇より

 

82条
太陽病、発汗、汗出不解、其人仍発熱、
心下悸、頭眩、身瞤動、振振欲僻地者、真武湯主之。

太陽病で発汗し、汗が出ても解さず発熱し、
動悸、眩暈、動揺して立っていられない場合には
真武湯を用いるという内容である。
発汗によって陽気が損傷し、残りわずかな陽気が浮いて発熱している。
水飲が停滞して、上部を水飲が衝き上げるために動悸や眩暈などの症状がおこっている。

真武湯は玄武湯ともいわれる。
あらゆる解説本には
真武湯は腎陽を高める働きがあると記されているが、
本当にそうなのだろうか。
真武湯に用いられている附子は腎陽を高めるというよりも
十二経にその温は働くようである。
芍薬が附子の働きを裏に向かわせる。
結果、裏の陽気を高めることで水飲を行散させ利水に働く。

陽気が落ち込んで、脉は沈であるが、
沈で緊を呈するという説もある。
水飲が陽気を裏で阻むためであろう。

そもそも、太陽病で発汗させて陽気が少なくなったことがきっかけで
水泛すいはんに陥るということは、
もともと胃虚水飲など水飲が停滞する証があったと思われる。

(続く)


参加者:下野、新川、大原、盧

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