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冬に撮った、大きなイチョウの木です。葉をつけるのが楽しみです。
冬に撮った、大きなイチョウの木です。葉をつけるのが楽しみです。

こんにちは、大原です。
今日も運気論、はりきっていきましょう!
皆さん、ついてきてますか!?

前回までの記事↓
2017年の運気 その1
2017年の運気 その2
2017年の運気 その3
2017年の運気 その4
2017年の運気 その5
2017年の運気 その6
2017年の運気 その7
2017年の運気 その8
2017年の運気 その9

前回まで、
木運不及に関する素問の記述を見ていきました。
木気の不及で金気の抑制などが強くなると
主に金気に関わる
様々な災害や病が発生するということが
書かれていましたね。

しかし、司天の気が厥陰風木の場合、
すなわち「五運」の不足を「六気」が補うかたちの場合は
木気は平気の年と同じように働くとも書かれていました。
つまり、木運不及の年だからといって、
実際はどのような災害や病が発生するのかは、
条件次第であるということのようです。

これまで、2017年は
金気が木気を抑制する一年であると述べてきました。
ですが、実際に金気や木気がどのように働くのか、
その他にも主運・客運、主気・客気など、さらに
自然や気候を構成するあらゆるものが
どのように働くのかは未知でしょう。

そのような内容が、素問の中にあります。

素問 五運行大論篇(67)

・・・(前略)・・・
不合陰陽、其故何也。
岐伯曰、是明道也。
此天地之陰陽也。
夫数之可数者、人中之陰陽也。

然所合、数之可得者也。
夫陰陽者、数之可十、推之可百。
数之可千、推之可万。
天地陰陽者、不以数推、以象之謂也。

(読み)
陰陽と合せざるは、その故何ぞや。
岐伯曰く、これ明道なり。
これ天地の陰陽なり。
それ数の数うるべきものは、人中の陰陽なり。
然して合するところ、これを数えて得べき者なり。
それ陰陽なる者は、これを数えて十にすべきは、これを推して百にすべし。
これを数えて千にすべきは、これを推して万にすべし。
天地陰陽なる者は、数え推すをもってせず、象をもってするの謂なり。

これは、岐伯に対してある問いかけを行い、
その解答を得ているところです。
ある問いかけとは、
十干と五運との関係、十二支と司天の気との
それぞれの対応関係を述べたあと
「陰陽に合わないのはなぜか?」
それに対して以下のように答えます。

「これは天地の陰陽であり、はっきりとした道理です。
はっきりと数えることができるのは人体の中の陰陽で、
十に数えることができるものは百を類推でき、
千に数えることができるものは万を類推できます。
しかし、天地の陰陽はそのように類推ができず、
自然現象を観察して追求するべきなのです。」

このように、自然現象すなわち気候や天気は
理論通りには推理することができず、
実際の現象を観察することが大事であると述べられています。

木運不及の年だから必ずこうなるということではなく、
どの程度木気が抑制されるのか、
また木気以外の働きはどうなのか
といったことを考察するためにも、
実際の自然や天候の動きを
観察することが重要なのでしょう。


参考文献:
『黄帝内経 素問 下巻』 東洋学術出版社
『内経気象学入門』 緑書房

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

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