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こんにちは、本多です。

前回に続き腹證奇覧に記載されております、
小柴胡湯についてです。

前回までの記事は↓こちら

小柴胡湯之證①
小柴胡湯之證②
小柴胡湯之證③

小柴胡湯之證④
小柴胡湯之證⑤
小柴胡湯之證⑥ 


では今回も傷寒論の条文を基にみていきます。

266条では、
病が太陽 → 少陽に内伝した場合についての記載がみられます。
まずは原文からです。

「本太陽病、不解、轉入少陽者、
脇下鞕滿、乾嘔、不能食、往來寒熱、
尚未吐下、脉沈緊者、與小柴胡湯。」

「太陽病であった病が治癒せずに少陽病に転じた場合は、
脇下硬満があり、乾嘔して摂食できない、往来寒熱などが出現して、
まだ吐法や下法による治療を受けておらず、
沈緊の脈証であれば、小柴胡湯を与える。」

太陽病位から少陽病位に完全に内陥した場合を
「転入」と表しています。

266条では脈証についてもふれており、
「沈位で緊脈」との記載があるのですが、
何故緊脈となるのか?
少陽病位の場合、
弦脈と表されることが多いのですが、
ここでは緊脈との記載がみられます。

『頻湖脉学』によれば
緊脈と弦脈、
どちらも脈が堅くなる事とと
同じ痛証であることが共通しています。
(約1年前に痛証の脈が現れた事件がありました・・・(^_^;)
詳しくはこちら→蜂刺されによる鍼治療

『頻湖脉学』の模式図を参照すると
緊脈が弦脈より太く描かれていることから
緊脈の方が硬さが増した状態になります。
邪の勢力が盛んになる場合に緊脈となるのでしょう。

腹證に関しては原文中にもある通り
少陽病に完全に転入したことで
小柴胡湯証らしい腹證の
脇下鞕滿(胸脇苦満・心下痞硬)として現れるのだと思います。

今回で小柴胡湯については一旦終了です。

臨床での気付きとして、
胸脇苦満、心下痞硬がみられる患者さん多くおられますが
下脘から中脘にかけての虚の反応がある方に
出やすい腹證であるように感じます。

今後も気付きなどがあれば記事にして参ります。


参考文献:

『漢方概論』 創元社
『腹證奇覽』 盛文堂
『頻湖脉学』 たにぐち書店
『腹證奇覧 全』 医道の日本社
『傷寒雑病論』
『傷寒論を読もう』 東洋学術出版
『症状による中医診断と治療』 燎原
『中医臨床のための方剤学』
『中医臨床のための中薬学』 神戸中医学研究会

本多

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